最終更新:2026年9月9日
歯科の個別指導・監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。
歯科の個別指導は、保険医療機関・保険医に対して、保険診療の内容や診療報酬請求等について確認・指導を行う制度です。厚生局から個別指導の通知が届いたことそれ自体は、不正請求を認定されたことを意味するわけではありません。
個別指導の通知が届いた歯科医師に向けまずお伝えしたいのが、歯科医院の個別指導のルール、仕組みを、正確に理解している歯科医師の方は少ないということです。
歯科個別指導になぜ選定されたか(個別指導になった理由が存在します。再指導での個別指導か、高点数での個別指導か、情報提供・通報・内部告発での個別指導か、等々)、個別指導でどのようなことが行われるか、指導医療官はどのような点に着目し指導してくるか、どのような患者が指定されるのか、どのように準備すべきか、個別指導の当日はどのように対応すべきか、など、推測すべきものはできる範囲で推測し、正しく理解すべきものは正しく理解することがポイントです。
本ページでは、以下の流れで、厚生局の歯科個別指導の仕組み、選定理由、当日までの準備、当日の対応、監査に移行した場合の監査への対応、不正請求の典型例、指導監査の実施状況、保険医療機関・保険医の取消しの状況などについてご説明します。
【目次】
歯科医の指導監査の上手な対応法
�T 個別指導(歯科)の対策のポイント
1 個別指導の仕組み、ルールを知る
2 弁護士を帯同・同席させる
3 個別指導への事前準備を行う
�U 保険医・保険医療機関への監査
�V 個別指導、監査の不正請求の例
1 架空請求
2 付増請求
3 振替請求
4 二重請求
個別指導と監査の統計
�T 歯科の個別指導と監査の実施状況
1 個別指導
2 新規個別指導
3 集団的個別指導
4 監査
�U 保険医療機関・保険医の取消の状況
1 指定取消・登録取消
2 指定取消相当・登録取消相当
歯科の指導、監査のコラム
�T 監査での保険医取消の実例紹介
�U 指導監査の判例紹介
�V 個別指導での代表的指摘事項
�W 歯科保険診療の指摘事項
�X 歯科指導でのチェックリスト
�Y 保険診療の実務留意事項、概説等
�Z 指導監査の根拠規定、指導大綱等
�[ 歯科の指導監査に関するコラム
歯科医の指導監査の上手な対応法
�T 個別指導(歯科)の対策のポイント
厚生局による歯科医院への個別指導は、法令に則った保険診療、診療報酬請求を歯科医に周知徹底させるためのものです。そこで、個別指導は教育的な指導であるはずですが、現実には、個別指導の選定の背景に不正請求の疑義の情報提供などがあり、その点の確認が厳しくなされることが稀ではありません。
個別指導の結果いかんで、診療報酬の自主返還、監査、そして保険医・保険医療機関の取り消しの行政処分がなされ得ることから、厚生局から個別指導の実施通知が届くと、歯科医の心理的な負担は相当なものとなります。
不適切な診療報酬請求をしていた場合は、それが故意ではなく過失によるものであっても、場合により、5年間の保険医・保険医療機関の取り消しなどの行政処分の対象となります。そのため、指導監査への対応の失敗は、歯科医院の重大な経営問題に繋がります。
以下、歯科の個別指導の対応のポイントを説明します。
1 個別指導の仕組み、ルールを知る
本ウェブページの冒頭部分で記載したとおり、まずお伝えしたいのが、歯科の個別指導のルール、仕組みを、正確に理解している歯科医の方が少ないということです。
個別指導になぜ選定されたか、個別指導でどのようなことが行われるか、指導医療官(技官)はどのような点を指導してくるか、どのようなカルテが指定されいつ頃の診療について指導がなされるのか、内部告発を含む情報提供による個別指導の場合にどのような指導がなされるのか、など、仕組みをきちんと理解することがポイントです。
個別指導の選定理由は、集団的個別指導の正当な理由のない欠席などその他の選定理由もあるのですが、通常のケースでは、大きく3つあります。
第一に、再指導によるものです。
新規個別指導や個別指導の結果が再指導であったため個別指導に選定されるもので、このケースでは、どこかの時点で個別指導となることが事前に把握できているため、当事者である歯科医師としては、選定について驚きではなく、ついに来た、という感覚であり、相応の準備・対策もできているケースが多いと思われます。
この場合は、前回の指導で指摘した事項、改善を求めた事項が改善されているかを中心に、その他の部分も含め、指導医療官によるチェック・指導が行われることが想定されます。
第二に、高点数によるものです。
集団的個別指導を受けた保険医療機関について、翌年度の実績で「高点数保険医療機関」(※翌年度の実績で集団的個別指導を受けたグループ内の保険医療機関の数の上位より概ね半数以上である保険医療機関)に該当する場合にそのさらに翌年度に選定されるもので、こちらについても、当事者である歯科医師としては、集団的個別指導を受けていることから、個別指導に選定されることがおよそ想定外というケースは少ないものと考えられます。この選定理由の場合、高点数であることが不正請求・不当請求であることを意味するものではなく、厚生局として不正請求・不当請求の疑義が生じていることが前提の個別指導ではありません。
この場合は、平均点数が高い原因やその歯科医院の診療の傾向・特徴がでている診療を中心に、指導医療官によるチェック・指導が行われることが想定されます。
ちなみに、令和8年度の東京都の歯科の平均点数は1240点で、集団的個別指導の選定に係るその1.2倍は1488点、大阪府の歯科の平均点数は1436点で、集団的個別指導の選定に係るその1.2倍は約1723点となります。このように、平均点数は、地域により大きなばらつきがあり、厚生局のウェブページで平均点数は公表されていますので、歯科医院が所在する都道府県の平均点数を把握することが重要です。
第三に、情報提供によるものです。
患者や退職したスタッフ、保険者からの不正請求をしているとの厚生局への情報提供(通報・内部告発)が典型例です。歯科医師としては個別指導の選定が寝耳に水であることが多く、そもそもなぜ選ばれたか、判断がつかない場合もしばしばあり、個別指導の通知が届き驚愕するケースが多いと思います。この選定理由の場合は、厚生局として不正請求・不当請求の疑義が生じていることが前提の個別指導となります。
この場合は、指導医療官による通常の教育的な指導とともに、情報提供(通報・内部告発)がなされている事項について、関係書類の精査、確認、質問などが行われることが想定されます。
歯科医院に個別指導の通知が届いたら、まず、なぜ選定されたか、情報提供であればどのような経路でどのような内容で情報提供されたか、検討することが第一歩となります。
また、個別指導の実施の会場や予定指導時間、指導を担当する担当官の陣容から、厚生局のスタンスが推測できることもあります。個別指導の選定の理由(主なものは、�@高点数での個別指導、�A情報提供(通報)での個別指導、�B再指導での個別指導)が把握できれば、個別指導の準備にも活用できます。個別指導の正確な理解があって、個別指導の正しい対策がはじめて可能になるというべきです。
個別指導の通知が届いたら、直ちに、歯科の個別指導に詳しい方から、最新の情報を入手して下さい。
2 弁護士を帯同・同席させる
個別指導では、どんなに度胸がある方であっても、不安を感じ、緊張してしまうものです。プレッシャーから、睡眠不足となる方も散見されます。その結果、冷静な対応ができなくなり、認めてはならない真実に反する事実を、誘導されて認めてしまうことがあります。同様に、担当官と大声で口論をしてしまい、担当官の心証を悪化させてしまうこともあります。担当官も人間ですので、歯科医師から感情的な対応をされると、厳しい対応で臨んでしまうものです。また、する必要のない不自然な弁解、言い逃れを繰り返してしまう方もいらっしゃいます。こうなると、担当官の心情として、真実を確認したいとの気持ちになり、個別指導の中断、そして監査の方向に進んでしまうものです。
以上の不適切な対応を防ぐためには、歯科医の完全な味方である弁護士を帯同し、個別指導に同席させることをお勧めします。歯科医が対応に窮したときなど、必要に応じ助け舟を出せることがありますし、弁護士が帯同するということそれ自体で、担当官の質問が慎重になる効果が期待できます。
実際、指導中断などで2回目の個別指導から弁護士を帯同させたケースでは、担当官の態度・追及が、1回目より非常に紳士的に、圧倒的にマイルドになったとの感想を頂戴します。また、個別指導は1回で終了するとは限りません。個別指導が途中で中断になり、患者調査が実施され、中断から数か月後に個別指導の2回目があるケースも稀ではありません。1回目から弁護士を帯同していれば、2回目以降がある場合に、個別指導1回目の終了後の歯科医師と弁護士との打合せで、弁護士が1回目の具体的なやり取りを踏まえた専門家としての知見・経験に基づくアドバイスが可能となり、2回目以降のより適切な個別指導対応に繋がります。
弁護士を帯同させると、個別指導の担当官に、やましいところがあるから弁護士を連れてきているのではないかと警戒され逆効果なのではないか、とお考えになる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、昨今では、弁護士の個別指導の帯同は珍しいことではありません。弁護士の帯同は、担当官に法律に則った冷静な対応をさせることに繋がり、良い結果に結び付くと感じています。
3 個別指導への事前準備を行う
悪いことはしていないから、正直に話せば良い、出たとこ勝負でなんとかなる、と考えられる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、それは、学校の定期試験に試験対策をせずに臨むようなものです。個別指導の十分な対策、事前準備を行うことをお勧めします。
事前準備の方法ですが、歯科医師会や保険医協会に連絡し個別指導の知識のある歯科医に指導してもらうことなどが考えられます。ただ、本業が別にある歯科医のサポートなどには限界がありますので、これについても、歯科の指導監査に詳しい弁護士にサポートを依頼し、個別指導での持参資料の準備、心構えや応答方法、対応方針などを十分に打合せ、準備を行うべきです。十分な準備をせずに個別指導に臨み、その結果、個別指導が中断となり、患者調査が開始され、その時点になって、ことの重大性を認識する歯科医師の方もいらっしゃいます。
個別指導(歯科)への具体的な準備は、高点数に基づく個別指導である場合は、まず、指導対象月を推測・把握します。そして、その期間を中心に、カルテの記載を確認し、実施した診療行為の記憶を喚起するとともに、診療報酬請求について、レセプトを踏まえ点検・指導が予測される点について、回答を準備することになります。
保険診療の算定要件、カルテ記載のルールは複雑で、多くの歯科医師は、何らかの誤解をしている印象です。例えば、カルテには歯科医の署名または記名押印が原則として必要ですが、うちはレセコンで電子カルテだからと、署名または記名押印をしていない歯科医の方がいらっしゃいます。しかし、電子カルテと判断されるための要件は厳しく、一般的な歯科診療所のカルテは、運用状況にもよりますが、電子カルテの要件を満たしていないことが多いと思われます。要件を満たしていない場合は、パソコン(レセコン)を用いて作成した紙カルテとして、歯科医師の署名または記名押印が求められます。
診療に関する掲示事項(保険医療機関であることの標示、施設基準の掲示、個人情報の保護に関する掲示、明細書の発行に関する掲示、等々)についても、適切な掲示等がなされていないケースが多々見受けられます。
保険診療と自由診療で混合診療となるのはどういったケースか、どこまでが混合診療とならず認められているか、また、歯科衛生士はどこまでの業務が歯科診療の補助(歯科衛生士法第2条第2項)として認められるか、といった事項の理解も重要です。本ホームページのコラムでも紹介している厚生局の歯科個別指導での指摘事項を熟読し、基本的な事項を確認することが保険診療の理解を深めることに繋がります。
また、厚生局は、個別指導で保険医療機関から録音の許可を求められた場合、指導を受けた内容を自ら確認するための指導時の録音は認めるとされており、この場合、厚生局側も録音することが通例です。歯科個別指導で録音をするかですが、まず、印象としては、録音しない歯科医療機関が数としては多いというイメージです。
録音をすれば、高圧的な指導を抑制する効果が期待でき、また、個別指導の終了後にやり取りを確認できることになります。しかし、録音を申し出ると、厚生局側も録音を開始し、録音が厚生局側に残ることから、指導医療官の杓子定規な対応に繋がる側面もあると感じています。
私見では、迷うのであれば、個別指導に弁護士を同席させる場合は録音せず、弁護士を同席させない場合は録音する、ということでよいのではないかと思います。
厚生局から個別指導の通知が届いた場合には、歯科医への個別指導に詳しい弁護士への速やかな相談をお勧めします。当初からの個別指導への適切な対応が、個別指導の中断の回避、再指導や監査への移行の回避、そして自主返還金額の減額に繋がります。
なお、患者や内部告発などによる情報提供(通報)の個別指導である場合は、高点数によるものに増して、慎重な対応が必要です。厚生局が、不正請求による監査への移行を念頭に、個別指導を実施してくることがあるためです。個別指導の通知の前に、事前に患者調査を実施しているケースもあります。適切な対応が個別指導の中断の回避、監査への移行の回避に繋がりますので、情報提供での個別指導ではより強い意味で、歯科の指導監査に詳しい弁護士にサポートを依頼すべきです。
�U 保険医、保険医療機関への監査
保険医療機関等の診療内容または診療報酬の請求について、不正または著しい不当が疑われる場合等において、的確に事実関係を把握するために、通常、個別指導が中止され、その後に監査が行われます。そして、監査の終了後に、監査で確認された事実に応じ、取消処分の場合は聴聞手続きを経た上で、必要な措置(取消処分・戒告・注意)が採られます。
監査は、歯科医院で不正などが疑われていることが前提になされるもので、終了後の取消処分などが控えており、監査の結果は、歯科医院の経営に重大な影響を及ぼします。歯科医院が保険医療機関の指定取消処分、歯科医が保険医の登録取消処分を受けると、その旨が公表されるほか、原則として5年間、保険医療機関の再指定、保険医の再登録を受けることができなくなります。また、保険医の取消処分は、医道審議会での歯科医の歯科医業の停止処分に結び付きます(なお、取消処分(保険医療機関の指定取消、保険医の登録取消)とされるべきケースについて、保険医療機関が既に廃止され、または保険医が既にその登録を抹消している等のためこれら行政処分を行えない場合、取消相当とされ、取消処分の場合と同様、取消相当である旨が公表されるほか、原則として5年間、再指定(再登録)を受けることができなくなるなどします。)。
医道審議会については、歯科の医道審議会の弁護士のコラムに詳しく記載しています。
個別指導から監査に至らないようにすることがまず重要ですが、監査に至ってしまった場合は、取消処分(または取消相当の取扱い)がなされないように、適切に対応する必要があります。ただ、監査に至った場合、その歯科医師の方にかかるストレスは甚大であり、当事者であるご本人のみでは、監査への対応について、正しい意思決定は困難かと思います。そのため、監査に臨む歯科医の方は、歯科の保険指導に詳しい弁護士に監査への帯同・立ち会いと総合的なサポートを依頼し、弁護士と十分に協議・相談をした上で、適切な準備・意思決定を行い、弁護士を帯同(同席)させて監査に臨むべきです。
監査では、指導医療官(いわゆる技官)から、診療の流れなどの基本的な事項や具体的な患者の診療内容などについて尋ねられ、その上で、回答事項をまとめた書面などの確認等を求められます。監査は、午前中から夕方まで、長時間の休憩をはさみ一日をかけて行われ、かつ、複数回行われることが通例です。
弁護士を帯同(同席)することで、休憩時間などに回答内容・方針などについて弁護士からアドバイスを受けることができますし、回答事項をまとめた書面の確認等の際には、弁護士とともに内容を確認し、必要に応じ弁護士のアドバイスの下に記載内容の修正を求めることもできます。また、監査は、厚生局側の職員が、例えば8人程度の体制であり、対して歯科医師が一人で対応するのでは、例えば中立の立場の歯科医師会などの歯科医師の立会人が一人いる場合であったとしても、完全に雰囲気にのまれてしまいます。そこに歯科の個別指導、監査に取り組む味方の弁護士が立ち会うことで、そのプレッシャーを大きく緩和することに繋がります。監査への弁護士の帯同(同席)は、大きな効果が期待できます。
なお、監査になると、気持ちが沈んでしまい、歯科医院の閉院を検討される歯科医の方もいらっしゃいます。しかし、監査となっても必ず取消処分となるわけではなく、ワーストケースを想定しそのための準備も行いつつも、前向きに考えて、スタッフと一丸となって充実した診療を継続していくことが重要です。
�V 個別指導、監査の不正請求の例
指導や監査に至る不正請求の例は以下のとおりです。
1 架空請求
当該月に診療の事実がないのに診療したとして請求するものです。架空請求か否かは、レセプト単位(月単位)で判断されます。
親族や知人の名義を借りるケースが典型例です。
既に死亡していた患者の診療報酬請求が発覚するケースがあります。
2 付増請求
実際に行った診療に行っていない診療を付け増して請求するものです。
実際には行っていないにもかかわらず、歯周基本検査の診療報酬を請求したり、歯科衛生実地指導料を請求したりするケースが典型例です。
3 振替請求
実際に行った診療を保険点数の高い別の診療に振替えて請求するものです。
実際に使用した金属を保険点数の高い別の金属を使用したとして請求するケースが典型例です。
4 二重請求
自費診療で行って患者から費用を受領しているにもかかわらず、保険でも診療報酬を請求するものです。
自費で義歯を入れ費用を受領し、さらに、保険で義歯を入れたとして診療報酬を請求するケースが典型例です。
保険医と保険医療機関への個別指導と監査の統計
�T 歯科の個別指導と監査の実施状況
2026年9月現在、厚生労働省が公表している最新の係る統計資料は令和6年度分なのですが、その公表資料「令和6年度における保険医療機関等の指導・監査等の実施状況」によれば、令和6年度(2024年4月〜2025年3月)の歯科の個別指導と監査の実施状況は以下のとおりです。
1 個別指導
保険医療機関等:
医科 894件,歯科 791件,薬局 809件
保険医等 :
医科3193人,歯科1682人,薬局1277人
2 新規個別指導
保険医療機関等:
医科2599件,歯科1292件,薬局2098件
保険医等 :
医科3557人,歯科1576人,薬局3201人
3 集団的個別指導
保険医療機関等:
医科5838件,歯科5029件,薬局4639件
4 監査
保険医療機関等:
医科 20件,歯科 14件,薬局 0件
保険医等 :
医科 67人,歯科 16人,薬局 0人
�U 保険医療機関・保険医の取消の状況
同様に、厚生労働省の公表資料「令和6年度における保険医療機関等の指導・監査等の実施状況」によれば、令和6年度(2024年4月〜2025年3月)の歯科の保険医療機関の指定取消と保険医の登録取消の状況は以下のとおりです。
1 指定取消・登録取消
保険医療機関等:
医科 3件,歯科 6件,薬局 0件
保険医等 :
医科 5人,歯科 12人,薬局 0人
2 指定取消相当・登録取消相当
保険医療機関等:
医科 6件,歯科 8件,薬局 0件
保険医等 :
医科 0人,歯科 1人,薬局 0人
歯科医院・歯科医師への取消処分・取消相当の結果は、厚生局のウェブページ上で、公表されます。公表資料では、歯科医院・歯科医師の実名や、取消処分等に至る経緯、取消処分等の主な理由、診療報酬の不正請求額などが例えば記載されます。新聞などでニュースとして取り上げられることも稀ではありません。
取消処分に至る端緒としては、統計上、保険者、患者、スタッフなどからの情報提供(通報)に基づく個別指導が多くなっています。令和6年度では、保険医療機関等の取消等について、保険者等(保険者、医療機関従事者、医療費通知に基づく被保険者等)からの情報提供(通報)に基づくものが20件、その他(警察の摘発、個別指導等)が3件です。情報提供・通報により個別指導となった場合には、監査、取消処分を念頭に指導がなされることになります。
院長としては高点数による歯科個別指導と判断していたものの、実際には患者や内部告発の情報提供(通報)による歯科個別指導であったケースがしばしばありますので、注意して下さい。
また、通報・情報提供があれば必ず歯科医の個別指導がなされる、というわけではありません。情報提供の内容や数などを総合的に勘案し、歯科医・歯科医院への個別指導の実施が判断されています。
昨今の厚生局への通報・情報提供の数は多く、厚生局の個別指導の実施可能件数には上限がありますので、患者やスタッフから厚生局へ情報提供があっても、実際に歯科で個別指導に至るものは、多くはないようです。情報提供による厚生局の個別指導の実施には、相応のハードルが存在する、という印象です。
不正請求などの情報提供(通報、内部告発)で特に留意すべきは、その歯科医院の個別指導の結果が再指導で再指導での個別指導を控えている状況の場合です。この場合は、情報提供があれば、それを再指導での個別指導の際にチェック・確認されることがあり、そのハードルは情報提供での個別指導の新たな実施の判断よりハードルが低いと思われます。また、歯科医院の勤務する歯科医師・スタッフなど厚生局の再指導での個別指導が控えていることを知っている場合は、退職した際などにトラブルがあると、では厚生局に情報提供(通報、内部告発)を今したら困るのではないかと考え、厚生局への情報提供(通報、内部告発)を実行することがありますので、歯科医院の開設者・管理者においては、再指導での個別指導が控えている場合、正しい保険診療に特に留意することが求められます。
この記事の執筆者
弁護士 鈴木陽介
・ 歯科医院側の弁護士として個別指導、監査に対応
・ 歯科の個別指導、監査の書籍を出版
・ 歯科個別指導に関するwebセミナー実績
WHITE CROSS株式会社
解説!歯科の個別指導(第1部49分,第2部42分)
https://www.whitecross.co.jp/streamings/view/1051
個別指導、監査に臨む歯科医の方は、お電話下さい。
サンベル法律事務所は、全国からご依頼を頂き、厚生局の指導監査の対応業務をしています。
歯科の個別指導、監査には、弁護士を同席させるべきです。関東はもちろん、東北、中部、関西などの歯科医院のご相談にも対応しています。まずはご相談下さい。
歯科の指導、監査のコラム
厚生局の歯科医院への指導、監査の弁護士のコラム一覧です。
個別指導(歯科)の際や日常の診療にご活用下さい。
�T 監査での保険医取消の実例紹介
1 受診しない患者の診療報酬請求
2 高い材料での診療報酬請求
3 指導監査の欠席による取消相当
4 自費診療の保険請求
5 不正請求(振替請求)による取消
6 分院での不正請求による監査
7 歯科衛生実地指導料の不正請求
�U 指導監査の判例紹介
1 指導監査の判例:1日100人の患者診療
2 指導監査の判例:不正請求による取消処分の要件
3 指導監査の判例:保険医取消の効力の執行停止
4 指導監査の判例:保険医の不登録処分の要件
5 指導監査の判例:保険医の再登録ができない場合
6 指導監査の判例:監査の欠席、出頭拒否の正当理由
7 指導監査の判例:聴聞の度重なる続行
�V 個別指導での代表的指摘事項
1 個別指導の指摘事項:北海道厚生局
2 個別指導の指摘事項:関東信越厚生局
3 個別指導の指摘事項:近畿厚生局
4 個別指導の指摘事項:東北厚生局
5 個別指導の指摘事項:東海北陸厚生局
6 個別指導の指摘事項:四国厚生支局
7 個別指導の指摘事項:中国四国厚生局
8 個別指導の指摘事項:共同指導(歯科)
�W 歯科保険診療の指摘事項
1 指摘事項コラム一覧:(1)〜(159)
�X 歯科指導でのチェックリスト
1 歯科指導チェックリスト:診療所版
2 歯科指導チェックリスト:病院版
3 歯科保険診療確認事項リスト
�Y 保険診療の実務留意事項、概説等
1 歯科保険診療の実務留意事項
2 歯科保険診療の概説
3 歯科保険診療と指導監査
�Z 指導監査の根拠規定、指導大綱等
1 指導監査の根拠規定
2 指導監査の指導大綱
3 指導監査の監査要綱
�[ 歯科の指導監査に関するコラム
1 歯科の個別指導と監査の対応法
2 歯科の新規個別指導の対応法