サンベル法律事務所は、全国からご依頼を頂き、個別指導と監査の対応業務をしています。
歯科の個別指導、監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。
ここでは、不正請求の患者調査、監査での保険医療機関の指定の取り消し、保険医の登録の取り消しなどの実例をご紹介します。
平成24年8月付、平成24年10月付、平成25年4月付及び平成26年3月付の取消処分(取消相当)であり、東海北陸厚生局の公表事例です。
説明のために、簡略化等をしています。
個別指導で不正請求の疑義が生じ、解消しない場合は、個別指導が中断となり、厚生局による患者調査が実施されることがあります。患者調査が実施され、患者から事実確認がなされた結果、不正請求の疑義が解消されず、不正請求の疑いが濃厚となった場合など、監査に移行することがあります。個別指導の中断後に患者調査が実施された場合は、厚生局は監査の可能性を念頭に置いていると想定すべきで、患者調査の結果次第で、監査に移行するものと考えるべきです。
歯科の個別指導、監査に臨む歯科医の方は、歯科の指導、監査に詳しい弁護士への相談をお勧めします。
個別指導、監査には、弁護士を立ち会わせるべきです。
詳しくは以下のコラムをご覧いただければ幸いです。
【コラム】歯科の個別指導と監査の対応法
https://歯科弁護士.com/shika-kobetushidou.html
患者調査の調査患者全員の不正請求・不当請求の疑い
行政処分に至った経緯
東海北陸厚生局の公表資料によれば、行政処分に至る経緯は以下のとおりです。
1 調査患者全員についての不正請求の疑い
当該保険医療機関に対して共同指導を実施したところ、保険適用外の義歯に係る修理や、保険適用外であるメタルボンドの支台築造が保険請求されている等の不正請求が疑われたため、指導を中止し患者調査を行うこととした。
患者調査では30名から回答を得ることができ、30名の患者すべてから付増請求等の不正請求及び不当請求が疑われた。さらに、本来保険請求可能な義歯の作製を自費診療として行っていることが疑われた。
このため、監査において事実確認を行ったところ行政処分の主な理由の事実が判明した。
行政処分の主な理由
東海北陸厚生局の公表資料によれば、取消処分の主な理由は以下のとおりです。
1 付増請求
実際に行った保険診療に行っていない保険診療を付け増して、診療報酬を不正に請求していた。
2 振替請求
実際に行った保険診療を保険点数の高い別の診療に振り替えて、診療報酬を不正に請求していた。
3 義歯の不正請求
保険適用外の義歯に対して行った一連の治療行為について保険診療を行ったとして、診療報酬を不正に請求していた。
4 メタルボンドの不正請求
実際には保険適用外であるメタルボンドに係る支台築造について保険診療を行ったとして、診療報酬を不正に請求していた。
5 保険適用外とする不正
保険請求可能な義歯を作製したにもかかわらず、保険適用外と患者に偽った説明を行い、患者から自費徴収していた。
6 仮義歯の自費徴収の不正
算定できない仮義歯(暫間義歯)に係る費用を患者から自費徴収していた。
7 一部負担金の受領
上記について、不正診療分に係る一部負担金相当額を受領していた。
8 不当請求
算定要件を満たさない診療報酬を不当に請求していた。
診療報酬の不正請求の金額
東海北陸厚生局の公表資料によれば、監査で判明した不正件数及び金額は、以下のとおりです。
平成21年5月〜平成22年8月
不正請求 44名 100件 29万2939円
不当請求 35名 146件 26万3037円
※ 保険医療機関の再指定や保険医の再登録は、
原則としてこの日より5年間は受けられず、
保険診療ができない。
患者調査での不正請求の調査
行政処分に至った経緯
東海北陸厚生局の公表資料によれば、
個別指導、監査に至る経緯は以下のとおりです。
1 患者調査での不正請求の調査
被保険者の娘から「医療費通知を受理したが、母親は富士市立中央病院に入院しており、歯科医院を受診していない。」との情報提供により個別指導を実施したところ開設管理者である歯科医師より一部不正請求を認める発言があったことから個別指導を中断し、患者調査を実施した結果、受診をしていない日の診療報酬が請求されている架空請求や、実際に行われていない検査及び処置の診療報酬が請求されている付増請求等の疑義が生じたため、中断していた個別指導を中止し、患者調査を行うこととした。
患者調査では18名から回答を得ることができ、18名の患者すべてから架空請求や付増請求等の不正請求及び不当請求が疑われた。
このため、監査において事実確認を行ったところ、行政処分の主な理由の事実が判明した。
行政処分の主な理由
東海北陸厚生局の公表資料によれば、取消処分の主な理由は以下のとおりです。
1 架空請求
診療報酬請求月に診療行為がないにもかかわらず診療報酬を不正に請求していた。
2 付増請求
実際に行っていない保険診療を付け増して、診療報酬を不正に請求していた。
3 振替請求
実際に行った保険診療を保険点数の高い別の診療に振り替えて、診療報酬を不正に請求していた。
4 保険適用外診療の保険請求
実際に行った保険適用外のセラミック(ハイブリッドレジン及びハイブリッド冠)を用いた歯冠修復治療について、保険診療したかのように装い、診療報酬を不正に請求していた。
5 一部負担金の不正
一部の患者について、一部負担金を減額または増額して受領していた。または、一部負担金を受領していなかった。
6 不当請求
算定要件を満たさない診療報酬を不当に請求していた。
診療報酬の不正請求の金額
東海北陸厚生局の公表資料によれば、監査で判明した不正件数及び金額は、以下のとおりです。
平成22年10月〜平成23年10月
不正請求 47名 101件 70万7855円
不当請求 27名 39件 12万1330円
※ 保険医療機関の再指定や保険医の再登録は、
原則としてこの日より5年間は受けられず保険診療できない。
歯科エックス線フィルムの保存期間の不遵守
行政処分の主な理由
東海北陸厚生局の公表資料によれば、取消処分(取消相当)の主な理由は以下のとおりです。
1 架空請求
実際には行っていない保険診療を行ったものとして、診療報酬を不正に請求していた。
2 付増請求
実際に行った保険診療に行っていない保険診療を付け増して、診療報酬を不正に請求していた。
3 振替請求
実際に行った保険診療を保険点数の高い別の診療に振り替えて、診療報酬を不正に請求していた。
4 二重請求
自費診療として患者から費用を徴収しているにもかかわらず、同診療を保険診療したかのように装い、診療報酬を不正に請求していた。
5 領収証の不交付
患者に対し、個別の費用ごとに区分して記載した領収証を交付していなかった。
6 保存期間の不遵守
保存期間が経過していないにもかかわらず、歯科エックス線フィルムを保存していなかった。
7 不当請求
算定要件を満たさない医学管理料等、検査、処置、歯冠修復及び欠損補綴の診療報酬を不当に請求していた。
診療報酬の不正請求の金額
東海北陸厚生局の公表資料によれば、監査で判明した不正件数及び金額は、以下のとおりです。
平成21年4月〜平成23年7月
不正請求 37名 306万5914円
不当請求 17名 18万5351円
※ 取消相当となった日から5年を経過するまでの間に、
再指定の申請があった場合は、
保険医療機関として再指定を行わない。
また、保険医の再登録は、
原則としてこの日より5年間は受けられず保険診療できない。
継続管理計画書の不添付の不正請求
行政処分に至った経緯
東海北陸厚生局の公表資料によれば、
個別指導、監査に至る経緯は以下のとおりです。
1 継続管理計画書の不添付による不正請求
岐阜県健康福祉部地域福祉国保課より、歯科医院が水増し請求を行っている旨の情報提供を受けたとの情報提供があり、個別指導を実施したところ、歯科疾患管理料について全例2回目以降の継続管理計画書の写しが診療録に添付されておらず、また、保険診療に係る一部負担金以外に別途費用徴収していることが疑われたことから個別指導を中止し、患者調査を行うこととした。
患者調査を実施したところ、架空請求、歯周治療等の付増請求及び自費で製作した有床義歯が保険請求されている二重請求のほか、患者に提供すべき文書が提供されていない、さらに一部負担金以外に別途徴収されていた費用については、患者自身、保険外診療に係るものとの認識はなく知らずに支払っていることが疑われたため、監査において事実確認を行ったところ、行政処分の主な理由の事実が判明した。
行政処分の主な理由
東海北陸厚生局の公表資料によれば、取消処分の主な理由は以下のとおりです。
1 架空請求
実際には行っていない保険診療を行ったものとして診療報酬を不正に請求していた。。
2 付増請求
実際に行った保険診療に行っていない保険診療を付け増して、診療報酬を不正に請求していた。
3 振替請求
実際に行った保険診療を保険点数の高い別の診療に振り替えて、診療報酬を不正に請求していた。
4 二重請求
自費診療として患者から費用を徴収しているにもかかわらず、同診療を保険診療したかのように装い、診療報酬を不正に請求していた。
5 保険適用外の診療の保険請求
実際に行った保険適用外である診療を、保険適用である診療を行ったものとして、診療報酬を不正に請求していた。
6 一部負担金以外の費用徴収
正当な理由もなく一部負担金以外の費用を徴収していた。
7 一部負担金の受領違反
一部負担金の受領違反が認められた。
8 領収証の不交付
個別の費用ごとに区分して記載した領収証を交付していなかった。
9 保存期間の不遵守
保存期間が経過していない診療録及びエックス線フィルムを保存していなかった。
10 不当請求
算定要件を満たさない診療報酬を不当に請求していた。
診療報酬の不正請求の金額
東海北陸厚生局の公表資料によれば、監査で判明した不正件数及び金額は、以下のとおりです。
平成21年9月〜平成23年2月
不正請求 56名 153件 52万7412円
不当請求 18名 117件 31万1750円
※ 保険医療機関の再指定や保険医の再登録は、
原則として5年間は受けられず保険診療できない。
歯科の不正請求の患者調査に悩む歯科医の方は、お電話下さい。個別指導、監査への対応方法を弁護士がアドバイスします。