サンベル法律事務所は、全国からご依頼を頂き、個別指導と監査の対応業務をしています。
歯科の個別指導、監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。
ここでは、実際より高い材料で診療報酬を請求し、その結果、保険医療機関の指定の取消、保険医の登録の取消となった実例をご紹介します。
平成28年5月付の取消処分であり、厚生労働省九州厚生局が公表した事例です。
説明のために、簡略化等をしています。
実際より高い材料での診療報酬請求は、不正請求の分類で振替請求と呼称されているものです。安い金属で治療をしたものを高い金属で治療をしたものと偽って請求することが典型で、退職したスタッフなどからの情報提供や歯科技工指示書などとレセプト請求内容が一致しないことなどにより発覚した事例が見受けられます。
歯科の個別指導、監査に臨む歯科医の方は、歯科の指導、監査に詳しい弁護士への相談をお勧めします。
個別指導、監査には、弁護士を立ち会わせるべきです。
詳しくは以下のコラムをご覧いただければ幸いです。
【コラム】歯科の個別指導と監査の対応法
https://歯科弁護士.com/shika-kobetushidou.html
高い材料での診療報酬請求での取消しの実例
監査を行うに至った経緯
厚生労働省九州厚生局の公表資料によれば、監査に至る経緯は以下のとおりです。
1 個別指導に至る経緯
平成24年2月、受診していない期間の医療費通知がきた旨の診療報酬の不正請求に係る情報提供があった。
2 個別指導の中断に至る経緯
平成24年8月、個別指導を実施したところ、有床義歯の使用材料等について、実際に使用した材料よりも高い材料で診療報酬の請求を行っている疑いが生じたため、個別指導を中断した。
3 監査に至る経緯
平成24年11月、個別指導を再開したところ、歯科医師が実際よりも高い材料で診療報酬を請求していた事実を認めたことから、個別指導を中止し、監査を実施した。
取消処分の理由
厚生労働省九州厚生局の公表資料によれば、取消処分の理由は以下のとおりです。
1 不正請求
@ 振替請求
実際に行った保険診療を、保険点数の高い別の診療に振り替えて、診療報酬を不正に請求していた。
【具体的事例】
・ 有床義歯を熱可塑性樹脂有床義歯としていた。
・ 有床義歯の鉤及びバーに使用する金属について、実際にはコバルトクロム合金を使用しているにもかかわらず、金銀パラジウム合金としていた。
A その他の請求
保険適用外である診療を、保険適用である診療を行ったものとして、診療報酬を不正に請求していた。
【具体的事例】
・ 有床義歯の補強線をバーとしていた。
2 不当請求
算定要件を満たさない医学管理等、歯冠修復及び欠損補綴に係る診療報酬を不当に請求していた。
診療報酬の不正、不当請求の金額
厚生労働省九州厚生局の公表資料によれば、監査での不正、不当請求に係るレセプト件数及び金額は、以下のとおりです。
平成20年4月〜平成24年7月
不正請求 78名分 レセプト 96件 80万7322円
不当請求 2名分 レセプト 30件 2万1210円
合計 80名分 126件 82万8532円
(実人数79名分)(実件数125件)
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