サンベル法律事務所は、全国からご依頼を頂き、個別指導と監査の対応業務をしています。
歯科の個別指導、監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。
ここでは、一部負担金の金額が、窓口負担額と医療費通知記載額で合わないとの近畿厚生局兵庫事務所への情報提供で個別指導となり、患者調査、監査が行われ、元保険医療機関の取消相当、保険医の取消処分となった兵庫県の歯科医院の実例をご紹介します。令和元年6月付の取消事案であり、近畿厚生局が公表した事例です。説明のために、簡略化等をしています。
本ケースは、兵庫県の歯科医院が、医療費通知の金額と実際の窓口で支払った金額が合わないとの情報提供で個別指導になっており、取消事例において、しばしば見受けられる流れとなります。患者は、医療費通知の記載金額などをチェックし、疑問点などあれば、保険者に問い合わせることがあります。本ケースのように、歯科医院で付け増し請求を行っており一部負担金の額が合わない場合は、情報提供の個別指導に繋がります。
歯科の個別指導、監査に臨む歯科医の方は、歯科の指導、監査に詳しい弁護士への相談をお勧めします。
個別指導、監査には、弁護士を立ち会わせるべきです。
詳しくは以下のコラムをご覧いただければ幸いです。
【コラム】歯科の個別指導と監査の対応法
https://歯科弁護士.com/shika-kobetushidou.html
一部負担金が合わないとの情報提供で取消しとなった兵庫県の実例
個別指導、監査、取消しに至る経緯
近畿厚生局の公表資料によれば、兵庫県の歯科医院について、個別指導から監査に至る経緯は以下のとおりです。
1 一部負担金額の不整合の情報提供
平成29年3月23日、患者から近畿厚生局兵庫事務所に対し、メモしていた一部負担金額より医療費通知に記載されている窓口負担額の方が多い旨の情報提供があった。
2 個別指導での関係書類の不持参
平成29年11月9日に個別指導を実施したところ、関係書類の持参がなく、また、持参があった診療録等については、実際に使用している診療録でないことが判明したことから個別指導を中断した。
3 歯科技工物装着を確認できず個別指導の再中断
平成29 年12月21日に個別指導を再開し、診療報酬の請求があった歯科技工物を持参のあったエックス線フィルムで確認したところ、歯科技工物の装着を確認できなかった。このことについて、明確な回答が得られなかったことから再度個別指導を中断した。
4 患者調査の実施、不正請求の疑義
平成30年2月28日から同年3月26日までの間に複数の患者に対し調査を実施したところ、当該医療機関では、実際には行っていない保険診療を行ったものとして診療報酬を不正に請求していた疑いが濃厚となった。
5 個別指導の再開、監査への移行
平成30年4月12日、個別指導を再開したところ、患者調査の結果生じた疑義について、明確な回答がなかったため、個別指導を中止し、平成30年5月31日から同年12月20日まで計5日間の監査を実施した。
取消処分の主な理由
近畿厚生局の公表資料によれば、兵庫県の歯科診療所について、取消処分及び取消相当の理由は以下のとおりです。
1 付増請求
実際に行った保険診療に行っていない保険診療を付け増して、診療報酬を不正に請求 していた。
診療報酬の不正・不当請求の金額
近畿厚生局の公表資料によれば、監査で判明した不正・不当請求金額等は、平成27年1月分から平成29年10月分までのレセプトのうち以下のとおりです。
不正請求金額 32名 226件 3,994,738円
不当請求金額 32名 454件 659,830 円
※なお、監査において判明した分以外についても、不正・不当請求のあったものについては、監査の日から5年前まで遡り、保険者等へ返還させることとしている。
※原則として、登録の取消の日及び指定の取消相当の日から5年間は、保険医の再登録及び保険医療機関の再指定は行わない。
【取消処分の根拠条文】
保険医療機関の指定の取消
健康保険法第80条第1号、第2号、第3号及び第6号
保険医の登録の取消
健康保険法第81条第1号及び第3号
歯科の個別指導、監査に臨む歯科医師の方は、お電話下さい。個別指導、監査への対応方法を弁護士がアドバイスします。