サンベル法律事務所は、全国からご依頼を頂き、個別指導と監査の対応業務をしています。
歯科の個別指導、監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。
ここでは、千葉県の歯科医院で、厚生局千葉事務所の個別指導において付け増しの不正請求をしていると疑われ指導が中断となり、患者調査が実施され不正の疑義が深まり、監査に移行し取消処分となった実例をご紹介します。令和元年10月付の取消事案であり、関東信越厚生局が公表した事例です。説明のために、簡略化等をしています。
本ケースのように、個別指導が不正請求の疑義で中断となることがありますが、その場合、厚生局が個別指導の実施にあたり既に不正請求の疑義があり個別指導で解消されずに中断となるケースと、個別指導での持参物の検討や歯科医師の応答で不正請求の疑義が生じ中断となるケースがあります。私見では、前者のパターンが多い印象です。
歯科の個別指導、監査に臨む歯科医の方は、歯科の指導、監査に詳しい弁護士への相談をお勧めします。
個別指導、監査には、弁護士を立ち会わせるべきです。
詳しくは以下のコラムをご覧いただければ幸いです。
【コラム】歯科の個別指導と監査の対応法
https://歯科弁護士.com/shika-kobetushidou.html
取消処分となった千葉県の歯科医院の実例
個別指導、監査、取消しに至る経緯
関東信越厚生局の公表資料によれば、千葉県の歯科診療所について、個別指導から監査に至る経緯は以下のとおりです。
1 個別指導での付増請求の疑義、指導の中断
関東信越厚生局千葉事務所が個別指導を実施したところ、実際には行っていない診療を付増請求していることが疑われたことから、内容の精査を行うために個別指導を中断した。
2 患者調査での不正請求の疑義の確認
その後、患者調査を行ったところ、実施には行っていない歯冠修復を行ったとして診療報酬を請求していたこと、保険点数の高い他の診療内容に振り替えて診療報酬を請求していたこと及び保険給付外の診療を保険診療したとして診療報酬を請求していたことが疑われた。
3 監査への移行
以上により、監査要綱の第3の1及び2に該当するものとして、平成29年1月19日から平成30年2月27日まで計5日間の監査を実施した。結果として「取消処分の主な理由」に記載した事実を確認した。
取消処分の主な理由
関東信越厚生局の公表資料によれば、千葉県の歯科診療所について、取消処分などの理由は以下のとおりです。
1 付増請求
実際に行った保険診療に行っていない保険診療を付け増して、診療報酬を不正に請求していた。
2 振替請求
実際に行った保険診療を保険点数の高い別の診療に振り替えて、診療報酬を不正に請求していた。
3 二重請求
自費診療として患者から費用を受領しているにもかかわらず、保険診療を行ったものとして、診療報酬を不正に請求していた。
4 保険診療として請求
自費診療で製作した有床義歯について、歯科口腔リハビリテーション料1を保険診療したものとして診療報酬を不正に請求していた。
診療報酬の不正請求の金額
関東信越厚生局の公表資料によれば、千葉県の歯科医院について、監査で判明した不正請求金額等は以下のとおりです。
件数 44件 不正請求額 216,139円
※なお、監査で判明した以外分についても不正請求等があったものについては、監査の日から原則5年前まで遡り、保険者等へ返還させることとしている。
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