サンベル法律事務所は、全国からご依頼を頂き、個別指導と監査の対応業務をしています。
歯科の個別指導、監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。
ここでは、歯科衛生実地指導料の不正請求などでの保険医療機関の指定の取消、保険医の登録の取消の実例をご紹介します。
平成28年6月付及び平成28年6月付の取消処分であり、厚生労働省近畿厚生局が公表した事例です。
説明のために、簡略化等をしています。
歯科衛生士が勤務しておらず歯科衛生士が実地指導を行っていない場合は、歯科衛生実地指導料を算定し請求することはできません。歯科衛生士が退職し歯科衛生士のスタッフがいなくなった場合、退職後は歯科衛生士がおらず歯科衛生実地指導料の算定はできないはずですが、算定・請求を継続しているケースがあり、これは、個別指導において、不正請求の疑義となります。
歯科の個別指導、監査に臨む歯科医の方は、歯科の指導、監査に詳しい弁護士への相談をお勧めします。
個別指導、監査には、弁護士を立ち会わせるべきです。
詳しくは以下のコラムをご覧いただければ幸いです。
【コラム】歯科の個別指導と監査の対応法
https://歯科弁護士.com/shika-kobetushidou.html
歯科衛生実地指導料の不正請求
監査を行うに至った経緯
厚生労働省近畿厚生局の公表資料によれば、監査に至る経緯は以下のとおりです。
1 不正請求の情報提供による個別指導
平成24年10月23日、患者から近畿厚生局指導監査課に対し、医療費通知に記載されているような高額な治療は受けていない旨の情報提供があった。
また、11月20日、匿名の者から、歯科衛生士が不在であるにもかかわらず、歯科衛生実地指導料が保険請求されている旨の情報提供があった。
2 歯科衛生士がいない期間の歯科衛生実地指導料の請求
平成25年9月19日及び11月28日、個別指導を実施したところ、診療録に歯肉剥離掻爬手術を実施した旨の記載があるにもかかわらず、その後約2か月間にわたり診療録の記載がないこと、金銀パラジウム合金で診療報酬が請求されている歯科技工物の納品書について、金属材料の名称が記載されていないものがあること及び歯科衛生士が退職し、
在職する歯科衛生士がいない期間であるにもかかわらず、歯科衛生実地指導料が請求されていることが確認された。 これらのことについて、明確な回答がなかったことから個別指導を中断した。
3 監査に至る経緯
平成26年2月27日、個別指導を再開したところ、患者調査で手術の実施及びレジン前装金属冠の装着がないことが確認され、診療報酬の不正請求が強く疑われたことについて、歯科医師から明確な回答がなかった。これらのことから、個別指導を中止し、同日ほか計14回の監査を実施した。
取消処分の主な理由
厚生労働省近畿厚生局の公表資料によれば、取消処分の主な理由は以下のとおりです。
1 付増請求
実際に行った保険診療に行っていない保険診療を付け増して、診療報酬を不正に請求していた。
2 振替請求
実際に行った保険診療を保険点数の高い別の診療に振り替えて、診療報酬を不正に請求していた。
3 その他の請求
実際に行った保険適用外である診療を保険適用である診療を行ったものとして、診療報酬を不正に請求していた。
診療報酬の不正、不当請求の金額
厚生労働省近畿厚生局の公表資料によれば、監査において確認した不正、不当請求に係るレセプト件数及び金額は、以下のとおりです。
平成24年1月〜平成25年9月
不正請求 13名分 レセプト 71件 104万3092円
不当請求 14名分 レセプト 167件 18万4005円
※ 監査において判明した分以外についても、
不正・不当請求のあったものについては、
保険医療機関の指定日(平成24年1月1日)まで遡り、
保険者等へ返還させることとしている。
原則として、指定の取消及び登録の取消の日から5年間は、
保険医療機関の再指定及び保険医の再登録は行わない。
4438万1767円の不正請求
監査を行うに至った経緯
厚生労働省近畿厚生局の公表資料によれば、監査に至る経緯は以下のとおりです。
1 匿名の者からの情報提供
平成25年10月25日、匿名の者から近畿厚生局指導監査課に対し、実際には診療していないにもかかわらず、診療したものとして診療録を作成している旨の情報提供があった。
2 個別指導の中断に至る経緯
平成26年10月30日、個別指導を実施したところ、画像診断の診療報酬が請求されているにもかかわらず、エックス線フィルムがないことについて、歯科医師から撮影をしていない旨の回答があった。また、歯冠補綴物の除去及び根管充填が算定されているにもかかわらず、エックス線フィルムを確認したところ、当該部位に根管充填を実施した形跡のないものが認められたことについて、歯科医師は診療報酬を不正に請求したことを認めたものの、具体的な不正の事実が確認できなかったことから個別指導を中断した。
3 監査に至る経緯
平成27年2月26日、個別指導を再開したところ、歯科医師は、実際には歯冠補綴物の除去及び根管充填をしていないにもかかわらず、診療報酬を不正に請求したことを改めて認めたことから、個別指導を中止し、同日ほか計10回の監査を実施した。
取消処分の主な理由
厚生労働省近畿厚生局の公表資料によれば、取消処分の主な理由は以下のとおりです。
1 架空請求
実際には行っていない保険診療を行ったものとして、診療報酬を不正に請求していた。
2 付増請求
実際に行った保険診療に行っていない保険診療を付け増して、診療報酬を不正に請求していた。
3 振替請求
実際に行った保険診療を保険点数の高い別の診療に振り替えて、診療報酬を不正に請求していた。
4 その他の請求
実際に行った保険適用外である診療を保険適用である診療を行ったものとして、診療報酬を不正に請求していた。
診療報酬の不正、不当請求の金額
厚生労働省近畿厚生局の公表資料によれば、監査において確認した不正、不当請求に係るレセプト件数及び金額は、以下のとおりです。
平成22年3月〜平成26年9月
不正請求 43名分 レセプト 295件 4438万1767円
不当請求 24名分 レセプト 62件 13万3745円
※ 監査において判明した分以外についても、
不正・不当請求のあったものについては、
監査の日から5年前まで遡り、
保険者等へ返還させることとしている。
原則として、指定の取消及び登録の取消の日から5年間は、
保険医療機関の再指定及び保険医の再登録は行わない。
歯科の個別指導、監査に臨む歯科医の方は、お電話下さい。個別指導、監査への対応方法を弁護士がアドバイスします。