サンベル法律事務所は、全国からご依頼を頂き、個別指導と監査の対応業務をしています。
歯科の個別指導、監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。
ここでは、別の歯科医院からの歯科訪問診療、診療報酬が高い金属材料への振替請求、管理者の保険医からの名義借り、実際に行っていない診療の不正請求及び補綴物の不正請求の実例紹介を致します。
平成27年9月付、平成27年6月付、平成26年10月付、平成26年6月付及び平成26年3月付の取消処分(取消相当)であり、東北厚生局の公表事例です。説明のために、簡略化等をしています。
診療所の管理者の名義借り(名義貸し)は、いくつかのパターンがあり、管理者をしていた歯科医師が退職し後継の常勤の歯科医師を確保できないケースが典型例です。常勤しておらず実態として歯科医院の管理をしていなければ、管理者として不適切ですので、歯科医院の管理者になって欲しいと声がかかった場合には、安易に応じることはせず、管理者としての実態が伴っているか、責任をもって医院運営ができるか、十分に検討することが求められます。
歯科の個別指導、監査に臨む歯科医の方は、歯科の指導、監査に詳しい弁護士への相談をお勧めします。
個別指導、監査には、弁護士を立ち会わせるべきです。
詳しくは以下のコラムをご覧いただければ幸いです。
【コラム】歯科の個別指導と監査の対応法
https://歯科弁護士.com/shika-kobetushidou.html
別の歯科医院からの歯科訪問診療
取消理由
東北厚生局の公表資料によれば、平成27年9月付の実例について、取消理由(取消相当)は以下のとおりです。
1 元保険医療機関の事故
郡山市に所在する医療法人の歯科医院から歯科訪問診療を実施したにもかかわらず、保険医療機関として実態の無い歯科クリニックから歯科訪問診療を実施したとして診療報酬を不正に請求していた。
診療報酬の不正請求の金額
東北厚生局の公表資料によれば、監査で確認した不正請求金額は、以下のとおりです。
不正請求 24名 101か月分 174万7778円
診療報酬点数の高い金属材料への振替請求
取消理由
東北厚生局の公表資料によれば、平成27年6月付の実例について、取消理由は以下のとおりです。
1 保険医療機関の事故
実際には行っていないにもかかわらず、処置、歯冠修復等を行ったとして、診療報酬を不正に請求していた。
補綴物の製作にあたり、実際に使用した金属材料を診療報酬点数の高い金属材料に振り替え、診療報酬を不正に請求していた。
実際に行った治療を、実際には行っていない部位を治療したとして、診療報酬を不正に請求していた。
2 保険医の事故
実際には行っていないにもかかわらず、処置、歯冠修復等を行ったとして診療録に不実記載し、診療報酬を保険医療機関に不正に請求させていた。
補綴物の製作にあたり、実際に使用した金属材料を診療報酬点数の高い金属材料に振り替え、診療録に不実記載し、診療報酬を保険医療機関に不正に請求させていた。
実際に行った治療を、実際には行っていない部位を治療したとして診療録に不実記載し、保険医療機関に診療報酬を不正に請求させていた。
診療報酬の不正請求の金額
東北厚生局の公表資料によれば、監査で確認した不正請求金額は、以下のとおりです。
不正請求 23名 132か月分 86万1997円
不当請求 23名 182か月分 33万8353円
管理者の名義借り
取消理由
東北厚生局の公表資料によれば、平成26年10月付の実例について、取消理由(取消相当)は以下のとおりです。
1 元保険医療機関の事故
施設入所者の患者一部負担金の一月の負担額を低く抑えるためとして、義歯等の製作及び装着に係る一連の保険診療を実際とは異なる日に行った保険診療とし、実際の診療月とは異なる月で診報酬を不正に請求していた。
実際には勤務していない保険医を管理者とした届出を行い、保険医療機関の指定を受けるために保険医の名義を使用していた。
2 元保険医の事故
実際には訪問診療を行っていないにもかかわらず、歯科訪問診療を行ったとして診療録に不実記載し、歯科訪問診療料等の診療報酬を保険医療機関に不正に請求させていた。
実際には勤務していない保険医を管理者とした届出を行い、診療報酬請求のために保険医の名義を使用していた。
診療報酬の不正請求の金額
東北厚生局の公表資料によれば、監査で確認した不正請求金額は、以下のとおりです。
不正請求 24名 41か月分 65万2099円
不当請求 28名 205か月分 248万8660円
実際に行っていない診療の不正請求(架空請求)
取消理由
東北厚生局の公表資料によれば、平成26年6月付の実例について、取消理由は以下のとおりです。
1 保険医療機関の事故
実際に行っていない保険診療を行ったものとして、診療報酬を不正に請求していた。
例:初診料、再診料、歯科疾患管理料、機械的歯面清掃処置、歯科衛生実地指導料、平行測定、歯冠修復、欠損補綴
実際に行った保険診療に行っていない保険診療を付け増して、診療報酬を不正に請求していた。
例:再診料、平行測定、歯冠修復、欠損補綴
2 保険医の事故
実際に行っていない保険診療を診療録に不実記載し、保険医療機関に診療報酬を不正に請求させていた。
例:初診料、再診料、歯科疾患管理料、機械的歯面清掃処置、歯科衛生実地指導料、平行測定、歯冠修復、欠損補綴
実際に行った保険診療に行っていない保険診療を付け増して診療録に不実記載し、保険医療機関に診療報酬を不正に請求させていた。
例:再診料、平行測定、歯冠修復、欠損補綴
診療報酬の不正請求の金額
東北厚生局の公表資料によれば、監査で確認した不正請求金額は、以下のとおりです。
不正請求 13名 35か月分 177万1444円
不当請求 3名 3か月分 3700円
補綴物の不正請求
取消理由
東北厚生局の公表資料によれば、平成26年3月付の実例について、取消理由は以下のとおりです。
1 保険医療機関の事故
実際には製作していない補綴物(鋳造バー、フック、スパー、バー)を製作したとして、不正に請求していた。
実際に製作した補綴物の材料(硬質レジン歯及びコバルトクロム合金材料を使用した有床義歯)を、高い材料を使用した補綴物(スルフォン樹脂レジン歯及び金銀パラジウム合金材料を使用した熱可塑性樹脂有床義歯)を製作したとして、不正に請求していた。
保険適用外の大臼歯5分の4冠を製作したにもかかわらず、全部鋳造冠を製作したとして、診療報酬を不正に請求していた。
2 保険医の事故
実際には行っていない保険診療を行ったものとして診療録に不実記載し、保険医療機関に診療報酬を不正に請求させていた。
診療報酬の不正請求の金額
東北厚生局の公表資料によれば、監査で確認した不正請求金額は、以下のとおりです。
不正請求 86名 173か月分 117万8102円
不当請求 12名 21か月分 3万8048円
管理者の名義借りの不正請求に悩む歯科医の方は、お電話下さい。個別指導、監査への対応方法を弁護士がアドバイスします。