サンベル法律事務所は、全国からご依頼を頂き、個別指導と監査の対応業務をしています。
歯科の個別指導、監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。
ここでは、匿名で不正請求の情報提供があり四国厚生支局愛媛事務所の個別指導となり、患者調査、監査が行われ、付け増し請求、架空請求などで取消処分となった愛媛県の歯科医院の実例をご紹介します。令和元年9月付の取消事案であり、中国厚生支局が公表した事例です。説明のために、簡略化等をしています。
本ケースでは、匿名の患者からの不正請求の情報提供で個別指導となっていますが、厚生局は、情報提供者が名前を明らかにしなくとも、情報提供として取り扱い、個別指導を実施することがあります。匿名ではなく名前を明かした上での情報提供の方が、情報提供としての重みがあるというべきですが、厚生局は、情報提供の内容も勘案した上で、総合的な見地から判断・対応しているものと考えられます。
歯科の個別指導、監査に臨む歯科医の方は、歯科の指導、監査に詳しい弁護士への相談をお勧めします。
個別指導、監査には、弁護士を立ち会わせるべきです。
詳しくは以下のコラムをご覧いただければ幸いです。
【コラム】歯科の個別指導と監査の対応法
https://歯科弁護士.com/shika-kobetushidou.html
架空請求、付増請求で取消しとなった愛媛県の歯科医院の実例
個別指導、監査、取消しに至る経緯
四国厚生支局の公表資料によれば、愛媛県の歯科医院について、個別指導から監査に至る経緯は以下のとおりです。
1 匿名での不正請求の情報提供
匿名の患者から四国厚生支局愛媛事務所に対し、市役所から送付された医療費通知に、受診していない記録が含まれている旨の情報提供があり、個別指導を実施した。
2 個別指導での不正請求の自認、患者調査の実施
個別指導を実施したところ、架空請求及び二重請求を認める発言があり、さらに患者調査を実施した結果、不正な診療報酬請求を行っている疑義が生じた。
3 診療報酬請求の疑義で個別指導の中止、監査の実施
個別指導における発言及び患者調査の結果において診療報酬の請求に関して疑義が深まったことから個別指導を中止し、平成29年9月28日から平成30年10月26日まで計7日間の監査を実施した。
取消処分の主な理由
中国厚生支局の公表資料によれば、愛媛県の歯科診療所について、取消処分の理由は以下のとおりです。
【不正請求(不実な診療報酬を不正に請求)】
1 架空請求
実際には行っていない保険診療を行ったものとして診療報酬を請求していた。
2 付増請求
実際に行った保険診療に行っていない保険診療を付け増して、診療報酬を請求していた。
3 振替請求
実際に行った保険診療を保険点数の高い別の診療に振り替えて、診療報酬を請求していた。
4 二重請求
実際に行った保険適用外である診療に係る費用を患者から受領しているにもかかわらず、保険適用である診療を行ったものとして診療報酬を請求していた。
5 保険診療として請求
実際に行った保険適用外である診療を、保険適用である診療を行ったものとして診療報酬を請求していた。
【不当請求(不適当で算定要件を欠くもの)】
1 算定要件の満たさない請求
算定要件を満たさない診療報酬(初・再診料、医学管理等、検査、画像診断、リハビリテーション、処置、手術、歯冠修復及び欠損補綴)を請求していた。
診療報酬の不正・不当請求の金額
四国厚生支局の公表資料によれば、愛媛県の歯科医院について、監査で判明した不正・不当請求金額等は、平成27年10月分から平成29年2月分までのレセプトのうち以下のとおりです。
不正請求金額 51名(実人数30名) 1,686,359円
不当請求金額 13名(実人数13) 113,774 円
なお、原則として、指定及び登録の取消の日から5年間は、保険医療機関の再指定及び保険医の再登録は行わない。
【取消処分の根拠条文】
保険医療機関の指定の取消
健康保険法第 80 条
保険医の登録の取消
健康保険法第 81 条
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