サンベル法律事務所は、全国からご依頼を頂き、個別指導と監査の対応業務をしています。
歯科の個別指導、監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。
ここでは、歯科訪問診療の訪問診療時間についての不正請求での保険医療機関の指定の取消しの実例をご紹介します。平成29年8月付の取消事案であり、関東信越厚生局の公表事例です。説明のために、簡略化等をしています。
厚生局は、個別指導で、訪問診療(歯科)については、訪問診療時刻が正しく記載されているか、そもそも歯科医師の訪問診療の実態があるか、重点的にチェックします。患者やスタッフなどからの情報提供、関係書類や応答などで、不正の疑義が生じた場合は、個別指導を中断とし、患者調査や施設への調査を実施するなどの上で、不正請求の事実の有無やその程度について、厚生局が検討・検証する場合があります。歯科訪問診療の訪問診療時刻などは、実態に即して記載し、実態に即して診療報酬を算定・請求する必要があります。
歯科の個別指導、監査に臨む歯科医の方は、歯科の指導、監査に詳しい弁護士への相談をお勧めします。
個別指導、監査には、弁護士を立ち会わせるべきです。
詳しくは以下のコラムをご覧いただければ幸いです。
【コラム】歯科の個別指導と監査の対応法
https://歯科弁護士.com/shika-kobetushidou.html
歯科訪問診療の診療時間の不正請求での取消しの実例
個別指導、監査、取消処分に至る経緯
関東信越厚生局の公表資料によれば、個別指導から監査に至る経緯は以下のとおりです。
1 個別指導での保険医の不正請求の自認、中断
個別指導において、出席した複数の保険医から歯科訪問診療に係る診療時間が実態と異なる旨の発言があったため、個別指導を中断した。
2 訪問先の施設調査による確認
訪問先の施設調査を実施したところ診療報酬明細書に記載されている訪問診療時刻には訪問していないことが強く疑われた。
3 個別指導の再開、保険医の不正の再度の自認
個別指導を再開し、前回の個別指導に出席した複数の保険医に改めて歯科訪問診療実施時刻について確認したところ、実際の歯科訪問実施時刻ではなく、画一的な実施時刻をレセプトコンピューターに入力していた旨の発言があった。
4 個別指導の中止、監査の実施
診療録に記載された歯科訪問診療実施時刻の妥当性に疑義が生じたことから、歯科訪問診療に係る診療報酬の不正請求が濃厚であると判断して個別指導を中止し、監査要綱の第3の1及び2に該当するものとして、平成26年4月24日から平成28年4月28日まで計10日間の監査を実施した。
結果として「取消処分の主な理由」に記載した事実を確認した。
取消処分の主な理由
関東信越厚生局の公表資料によれば、取消処分の理由は以下のとおりです。
1 付増請求
実際に行った保険診療に行っていない保険診療を付け増して診療報酬を不正に請求していた。
2 振替請求
実際に行った保険診療を保険点数の高い別の診療に振り替えて診療報酬を不正に請求していた。
3 歯科訪問診療の訪問時間の不正請求
実際には歯科訪問診療を行っていない時刻に歯科訪問診療を行ったものとして、診療報酬を不正に請求していた。
4 保険医でない歯科医師による不正請求
保険医登録をしていなかった歯科医師による診療行為について、診療報酬を不正に請求していた。
5 訪問歯科衛生指導料の不正請求
実際には訪問歯科衛生指導を行っていない時刻に訪問歯科衛生指導を行ったものとして、診療報酬を不正に請求していた。
診療報酬の不正請求の金額
関東信越厚生局の公表資料によれば、監査で判明した不正件数、金額は以下のとおりです。
件数 220件
不正請求額 188万T864円
※ なお、監査で判明した以外分についても不正等請求があったものについては、監査の日から5年前まで遡り、保険者等へ返還させることとしている。
歯科訪問診療の訪問診療時間の不正請求、個別指導、監査に悩む歯科医の方は、お電話下さい。個別指導、監査への対応方法を弁護士がアドバイスします。