歯科の個別指導の書籍を出版し、歯科の指導監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。
個別指導、監査には、弁護士を同席させるべきです。
ここでは、歯科共同指導での、診療録、歯科初診料、再診料、歯科疾患管理料、歯科衛生実地指導料、診療情報提供料、検査、投薬、リハビリテーションに関する主な指摘事項についてご説明を致します。
指摘事項は、厚生労働省の公表資料「平成27年度 特定共同指導・共同指導(歯科)における主な指摘事項」に基づいており、弁護士鈴木が適宜加筆修正等しています。
歯科の共同指導に臨む歯科医の方は、以下のコラムもご覧いただければ幸いです。
【コラム】歯科の個別指導と監査の上手な対応法
1 診療録等の記載
・診療録第1面の歯式、終了、転帰又は傷病名の記載がない。
・診療録第2面の症状、所見、処置内容又は治療方針等の記載がない。
・診療録に不適切な記載を行っている。
(例:診療行為の手順と異なる記載、行間を空けた記載、欄外への記載、療法・処置記載欄への一行複数段の記載、現在使用されていない略称の使用、ぬりつぶし・修正液・修正テープによる訂正、同一行への複数項目に係る内容の記載、判読困難な記載、鉛筆による記載)
・歯科技工指示書への設計、使用材料又は技工所の所在地等の記載がない。
2 基本診療料等
歯科初診料・再診料等
・学校検診後の受診であるにもかかわらず歯科初診料を算定している。
・診療録に歯科診療が困難であった状況に係る記載がないにもかかわらず、歯科診療特別対応加算を算定している。
3 医学管理等
歯科疾患管理料
・管理計画書の写しを診療録に添付していない。
・管理計画書を患者に提供しない月において、管理内容の要点を診療録に記載していない。
・管理計画書の写しに患者又はその家族が記入する歯科疾患と関連性のある生活習慣の状況、生活習慣の改善目標、口腔内の状態、口腔内の状態の改善状況及び歯科疾患と全身の健康との関係を記載していない又は記載が乏しい。
周術期口腔機能管理計画策定料
・管理計画を策定していない。
周術期口腔機能管理料
・管理報告書の内容の診療録への記載がない又は写しの添付がない。
歯科衛生実地指導料
・提供文書の写しを診療録に添付していない。
歯科特定疾患療養管理料
・診療録に患者の症状、治療計画、指導内容又は治療内容を記載していない。
悪性腫瘍特異物質治療管理料
・腫瘍マーカー検査の結果及び治療計画の要点を診療録に記載していない。
診療情報提供料(T)
・紹介元医療機関への診療結果の報告又は紹介文書への返事に対して算定している。
新製有床義歯管理料
・提供文書に、欠損の状態及び指導内容等の要点を記載していない。
・提供文書の写しを診療録に添付していない。
肺血栓塞栓症予防管理料
・関係学会が示す標準的な管理方法を踏まえたリスク評価を行っていない。
・医学管理の具体的な内容を診療録に記載していない。
4 検査
・電気的根管長測定検査、細菌簡易培養検査、平行測定又は顎運動関連検査の結果を診療録に記載していない。
・6歯以上のブリッジについて平行測定に用いた模型を紛失している。
・術前の画一的ないわゆるセット検査を行っている。
5 画像診断
・歯科エックス線撮影・歯科パノラマ断層撮影について所見を診療録に記載をしていない。
・歯科エックス線撮影について必要な部位が撮影されていない。
・歯科エックス線撮影・歯科パノラマ断層撮影について画像が不鮮明で診断が困難である。
・歯科エックス線撮影について撮影後のフィルムを紛失している。
・歯科エックス線撮影の枚数を誤算定している。
・届出された専ら画像診断を行う歯科医師以外の者が読影したものについて、画像診断管理加算を算定している。
6 投薬
・適応外投薬を行っている。
(例:胃潰瘍・十二指腸潰瘍を適応症とする薬剤の投与等)
・医科診療科で実施すべき投薬を行っている。
(例:点眼液、虚血性心疾患治療薬等)
・抗生物質の長期漫然投与を行っている。
・鎮痛剤の重複投与を行っている。
7 リハビリテーション
脳血管疾患等リハビリテーション料 (V)
・対象患者ではないものに対して算定している。
摂食機能療法
・開始及び終了時刻の記載が画一的である。
・実施計画の要点に係る診療録への記載がない。
歯科口腔リハビリテーション料1
・診療録に調整部位に係る記載がない。
歯科の共同指導に悩む歯科医の方は、お電話下さい。個別指導への対応をアドバイスします。