口腔粘膜処置（口処）の算定留意事項

歯科保険診療指摘事項（102）：口腔粘膜処置（口処）

歯科の個別指導・監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。

サンベル法律事務所は、全国からご依頼を頂き、厚生局の指導監査の対応業務をしています。

歯科の個別指導、監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。

ここでは、歯科の保険診療に関して、施設基準に係る口腔粘膜処置（口処）での算定留意事項、算定要件、個別指導での指摘事項などについてご説明します。

ご説明は、厚生労働省保険局医療課医療指導監査室の保険診療確認事項リスト（歯科）令和６年度改訂版ｖｅｒ．２４１１に基づくもので、弁護士鈴木が適宜加筆修正等しています。最新の取扱いではない可能性や、また、地域などにより運用等異なる場合があることに注意が必要です。

なお、歯科の個別指導、監査に臨む歯科医師の方は、個別指導の基本的な仕組みや対応法など記載しておりますので、まずはこちらのコラム歯科の個別指導と監査をお読みいただくことをお勧めします。

また、手前味噌ですが、もしよろしければ、拙著『歯科の個別指導・監査・医道審議会の行政処分への対応法【改訂版】』もご参考いただければ幸いです。

歯科の口腔粘膜処置（口処）の指摘事項

　１　算定要件を満たしていない口処

算定要件を満たしていない口腔粘膜処置を算定している次の例が認められたので改めること。

すなわち、特定診療報酬算定医療機器の「レーザー手術装置（Ⅰ）」に該当するレーザー機器を使用していない、病変の部位及び大きさ等を診療録に記載していない。

【コメント】
口腔粘膜処置（口処）は、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生(支)局長に届け出た保険医療機関において、再発性アフタ性口内炎の小アフタ型病変に対してレーザー照射を行った場合に１月につき１回に限り算定し、なお、当該処置の実施に当たっては「レーザー応用による再発性アフタ性口内炎治療に関する基本的な考え方」（平成30年３月　日本歯科医学会）を参考にすることとされています。

なお、特定診療報酬算定医療機器の「レーザー手術装置（Ⅰ）」について、エルビウム・ヤグレーザが含まれているが、添付文書の使用目的にレーザー手術装置（Ⅰ）の定義に該当する口腔内の軟組織の切開、止血、凝固及び蒸散が含まれていないレーザー機器は対象とならず、また、「う蝕除去・窩洞形成用レーザー」または「歯石除去用レーザー」として既に保険適用されている機器であっても、「レーザー手術装置（Ⅰ）」として保険適用された機器以外は使用できず、さらに、「レーザー手術装置（Ⅱ）」についても同様に、保険適用された機器以外は使用できないとされています。

　２　算定できない口処

算定できない口腔粘膜処置を算定している次の例が認められたので改めること。

すなわち、口腔粘膜処置に係る施設基準の届出を行っていない、再発性アフタ性口内炎の小アフタ型病変に該当していない、２回目以降の口腔粘膜処置の算定において、前回算定日から起算して１月以内に算定している。

【コメント】
前回算定した日の属する月に前回照射した部位と異なる部位に生じた再発性アフタ性口内炎に対して当該処置を実施した場合の費用は、所定点数に含まれ、別に算定できないとされています。

　３　カルテへの適切な記載

診療録に記載すべき内容について【画一的に記載している、記載の不十分な】例が認められたので、次の事項について個々の症例に応じて適切に記載すること。すなわち、病変の部位、病変の大きさ。

口腔粘膜処置の実施に当たっては、「レーザー応用による再発性アフタ性口内炎治療に関する基本的な考え方」（平成30年３月　日本歯科医学会）を参考に適切な治療を行うこと。

【コメント】
口腔粘膜処置（口処）について、レーザー照射を行った場合は、病変の部位及び大きさ等を診療録に記載することとされており、個々の患者、症例に応じた充実した記載が望まれます。

個別指導、監査に臨む歯科医の方は、お電話下さい。歯科の個別指導、監査への対応を弁護士がサポートし、指導監査に弁護士が同席します。

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