周術期等専門的口腔衛生処置２（術口衛２）の算定留意事項

歯科保険診療指摘事項（100）：周術期等専門的口腔衛生処置２

歯科の個別指導・監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。

サンベル法律事務所は、全国からご依頼を頂き、厚生局の指導監査の対応業務をしています。

歯科の個別指導、監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。

ここでは、歯科の保険診療に関して、周術期等専門的口腔衛生処置２（術口衛２）での算定留意事項、算定要件、個別指導での指摘事項などについてご説明します。

ご説明は、厚生労働省保険局医療課医療指導監査室の保険診療確認事項リスト（歯科）令和６年度改訂版ｖｅｒ．２４１１に基づくもので、弁護士鈴木が適宜加筆修正等しています。最新の取扱いではない可能性や、また、地域などにより運用等異なる場合があることに注意が必要です。

なお、歯科の個別指導、監査に臨む歯科医師の方は、個別指導の基本的な仕組みや対応法など記載しておりますので、まずはこちらのコラム歯科の個別指導と監査をお読みいただくことをお勧めします。

また、手前味噌ですが、もしよろしければ、拙著『歯科の個別指導・監査・医道審議会の行政処分への対応法【改訂版】』もご参考いただければ幸いです。

歯科の周術期等専門的口腔衛生処置２（術口衛２）の指摘事項

　１　算定要件を満たしていない術口衛２

算定要件を満たしていない周術期等専門的口腔衛生処置２を算定している次の例が認められたので改めること。

すなわち、口腔粘膜保護材を使用していない、口腔内の状態（口腔衛生の状況、口腔粘膜の状態等）及び治療内容等（歯科衛生士が行う場合は、歯科衛生士に指示した内容及び歯科衛生士の氏名）を診療録に記載していない。

【コメント】
「２　周術期等専門的口腔衛生処置２」（術口衛２）は、「注４」に規定する患者に対して、歯科医師又は歯科医師の指示を受けた歯科衛生士が放射線治療又は化学療法の副作用として生じた口腔粘膜炎に対して、専門的な口腔清掃及び口腔粘膜保護材を使用して疼痛緩和を行った場合に算定し、なお、口腔粘膜保護材に係る特定保険医療材料料は別に算定するとされています。

周術期等における口腔機能の管理を行う歯科医師は、「２　周術期等専門的口腔衛生処置２」（術口衛２）に関し、診療録に口腔内の状態（口腔衛生の状況、口腔粘膜の状態等）及び治療内容等（歯科衛生士が行う場合は、歯科衛生士に指示した内容及び歯科衛生士の氏名）を記載し、なお、当該処置を行った歯科衛生士は、業務に関する記録を作成することとされています。

　２　算定できない術口衛２

算定できない周術期等専門的口腔衛生処置２を算定している次の例が認められたので改めること。

すなわち、がん等に係る放射線治療又は化学療法を実施する患者に該当していない、同一月に【回復期等専門的口腔衛生処置、在宅等療養患者専門的口腔衛生処置、機械的歯面清掃処置、非経口摂取患者口腔粘膜処置、口腔バイオフィルム除去処置】を算定している。

【コメント】
「１　周術期等専門的口腔衛生処置１」（術口衛１）を算定した日に、別に「２　周術期等専門的口腔衛生処置２」（術口衛２）は算定できないとされています（なお、異なる日であれば、周術期等専門的口腔衛生処置１（術口衛１）と周術期等専門的口腔衛生処置２（術口衛２）は同月に算定できるとされています。）。

また、一連の周術期等口腔機能管理において、歯科医師または歯科医師の指示を受けた歯科衛生士が、「２　周術期等専門的口腔衛生処置２」を月２回以上行った場合、当該処置は算定できないが、必要に応じて使用した口腔粘膜保護材に係る特定保険医療材料料は別に算定して差し支えないとされています。

　３　カルテへの適切な記載

周術期等専門的口腔衛生処置２に係る診療録に記載すべき内容について【画一的に記載している、記載の不十分な】例が認められたので、次の事項について個々の症例に応じて適切に記載すること。すなわち、口腔内の状態（口腔衛生の状況、口腔粘膜の状態等）、治療内容等（歯科衛生士が行う場合は、歯科衛生士に指示した内容及び歯科衛生士の氏名）。

一連の周術期等口腔機能管理を通じて１回に限り算定すべき周術期等専門的口腔衛生処置２を複数回算定している例が認められたので改めること。

【コメント】
周術期等専門的口腔衛生処置２（術口衛２）の算定回数について、適切に行うよう注意が求められます。

なお、周術期等専門的口腔衛生処置２（術口衛２）について、放射線治療または化学療法の副作用として生じた口腔粘膜炎に対して当該処置を行うとあるが、当該処置を算定する場合の診療報酬明細書の「傷病名部位」欄の傷病名は、「口腔粘膜炎」と記載するものとされています。

個別指導、監査に臨む歯科医の方は、お電話下さい。歯科の個別指導、監査への対応を弁護士がサポートし、指導監査に弁護士が同席します。

歯科の指導、監査のコラム

歯科医院の指導、監査の弁護士のコラムの一覧です。
歯科での周術期等専門的口腔衛生処置２、術口衛２の算定留意事項、算定要件の他、様々なコラムがございます。
個別指導（歯科）の際や日常の診療にご活用下さい。

　１　歯科の指導監査に関するコラム

１　歯科の個別指導と監査の対応法

２　歯科の新規個別指導の対応法

　２　歯科保険診療指摘事項のコラム

周術期等専門的口腔衛生処置２（術口衛２）の算定留意事項

指導監査

SUNBELL LAW OFFICE弁護士個別指導

サンベル法律事務所
〒160-0004
東京都新宿区四谷1-18
オオノヤビル7階
TEL 03-5925-8437
FAX 03-5925-8438

弁護士鈴木陽介歯科書籍歯科個別指導

インターアクション，2022年

弁護士鈴木陽介歯科書籍歯科 M&A

学建書院，2016年

弁護士鈴木陽介歯科書籍歯科弁護士

クインテッセンス出版，2013年

術口衛２、周術期等専門的口腔衛生処置２の算定での厚生局の指摘事項（歯科）のコラムです。保険診療での個別指導、監査は、弁護士にご相談下さい。