知覚過敏処置（Ｈｙｓ処）の算定留意事項

歯科保険診療指摘事項（74）：知覚過敏処置（Ｈｙｓ処）

歯科の個別指導・監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。

サンベル法律事務所は、全国からご依頼を頂き、厚生局の指導監査の対応業務をしています。

歯科の個別指導、監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。

ここでは、歯科の保険診療に関して、知覚過敏処置（Ｈｙｓ処）での算定留意事項、算定要件、個別指導での指摘事項などについてご説明します。

ご説明は、厚生労働省保険局医療課医療指導監査室の保険診療確認事項リスト（歯科）令和６年度改訂版ｖｅｒ．２４１１に基づくもので、弁護士鈴木が適宜加筆修正等しています。最新の取扱いではない可能性や、また、地域などにより運用等異なる場合があることに注意が必要です。

なお、歯科の個別指導、監査に臨む歯科医師の方は、個別指導の基本的な仕組みや対応法など記載しておりますので、まずはこちらのコラム歯科の個別指導と監査をお読みいただくことをお勧めします。

また、手前味噌ですが、もしよろしければ、拙著『歯科の個別指導・監査・医道審議会の行政処分への対応法【改訂版】』もご参考いただければ幸いです。

歯科の知覚過敏処置（Ｈｙｓ処）の指摘事項

　１　算定できないＨｙｓ処

算定できない知覚過敏処置を算定している次の例が認められたので改めること。

すなわち、【歯冠形成、印象採得、咬合採得、仮着、装着】と同時に算定している、補綴物の歯冠形成から装着までの治療期間中に、同一歯に対して既に象牙質レジンコーティングを算定している。

【コメント】
知覚過敏処置（Ｈｙｓ処）の算定について、歯冠形成後、知覚過敏が生じた有髄歯に対する知覚鈍麻剤の塗布は、歯冠形成、印象採得、咬合採得、仮着及び装着と同時に行う場合を除き「１　３歯まで」又は「２　４歯以上」の所定点数により算定し、ただし、補綴物の歯冠形成から装着までの治療期間中に、象牙質レジンコーティングを算定した場合は、当該期間中に知覚過敏処置は算定できないとされています。

なお、知覚過敏処置（Ｈｙｓ処）の算定について、イオン導入法は、知覚過敏処置に含まれ、別に算定できないとされています。

　２　カルテへの適切な記載

知覚過敏処置において、【症状、所見、治療内容、経過】等について【診療録に記載していない、診療録への記載が不十分な】例が認められたので、個々の症例に応じて適切に記載すること。

【コメント】
知覚過敏処置（Ｈｙｓ処）を算定した場合は、カルテへの個々の患者、症例に応じた記載が求められます。厚生局の個別指導や新規個別指導で、適切な知覚過敏処置の実施が指導医療官に疑われないよう、充実したカルテ記載が望まれます。

　３　歯数区分の誤り

知覚過敏処置「１　３歯まで」で算定すべきものを「２　４歯以上」として誤って算定している例が認められたので改めること。

知覚過敏処置を長期にわたり繰り返し実施している例が認められたので、臨床症状や術後経過について十分検討した上で適切な治療を行うこと。

【コメント】
知覚過敏処置（Ｈｙｓ処）の算定は、３歯までと４歯以上で点数が区分されており、歯数の誤りがないように注意することが必要です。

なお、特定薬剤の費用は、所定点数に含まれるとされています。

個別指導、監査に臨む歯科医の方は、お電話下さい。歯科の個別指導、監査への対応を弁護士がサポートし、指導監査に弁護士が同席します。

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