歯周病患者画像活用指導料（Ｐ画像）の留意事項

歯科保険診療指摘事項（21）：歯周病患者画像活用指導料

歯科の個別指導・監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。

サンベル法律事務所は、全国からご依頼を頂き、厚生局の指導監査の対応業務をしています。

歯科の個別指導、監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。

ここでは、歯科の保険診療に関して、歯周病患者画像活用指導料（Ｐ画像）での留意事項、個別指導での指摘事項などについてご説明します。

ご説明は、厚生労働省保険局医療課医療指導監査室の保険診療確認事項リスト（歯科）令和６年度改訂版ｖｅｒ．２４１１に基づくもので、弁護士鈴木が適宜加筆修正等しています。最新の取扱いではない可能性や、また、地域などにより運用等異なる場合があることに注意が必要です。

なお、歯科の個別指導、監査に臨む歯科医師の方は、個別指導の基本的な仕組みや対応法など記載しておりますので、まずはこちらのコラム歯科の個別指導と監査をお読みいただくことをお勧めします。

また、手前味噌ですが、もしよろしければ、拙著『歯科の個別指導・監査・医道審議会の行政処分への対応法【改訂版】』（２０２２年１１月２５日出版）もご参考いただければ幸いです。

歯周病患者画像活用指導料（Ｐ画像）での指摘事項

　１　算定要件を満たしていないＰ画像

算定要件を満たしていない歯周病患者画像活用指導料を算定している次の例が認められたので改めること。

すなわち、撮影した口腔内カラー写真を診療録に添付又はデジタル撮影した画像を電子媒体に保存して管理していない、歯周病検査を予定又は実施していない。

【コメント】
歯周病患者画像活用指導料は、歯科疾患管理料、周術期等口腔機能管理料(Ⅰ)、周術期等口腔機能管理料(Ⅱ)、周術期等口腔機能管理料(Ⅲ)、周術期等口腔機能管理料(Ⅳ)、回復期等口腔機能管理料、歯科特定疾患療養管理料、歯科疾患在宅療養管理料、在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料又は小児在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料のいずれかの管理料を算定した患者であって歯周病に罹患しているものに対し、プラークコントロールの動機付けを目的として、口腔内カラー写真を用いて療養上必要な指導及び説明を行った場合に算定するもので、写真撮影に係る費用は所定点数に含まれ、別に算定できず、撮影した口腔内カラー写真は、診療録に添付又はデジタル撮影した画像を電子媒体に保存して管理するものとされています。

厚生局の新規個別指導、個別指導では、指導医療官が係る写真をまずは確認することが想定されますので、カルテへの添付等に留意して下さい。

なお、歯周病の急性症状を呈する患者や初診時に暫間固定を必要とする患者で初診時の歯周病検査の実施は困難であるが管理を開始して歯科疾患管理料を算定し後日歯周病検査を実施する場合に歯周病検査の実施前に歯周病患者画像活用指導料を算定しても差し支えなく、ただし、１回の歯周病検査に対してその実施前と実施後の２回算定することはできないとされています。

　２　算定できないＰ画像

算定できない歯周病患者画像活用指導料を算定している次の例が認められたので改めること。

すなわち、プラークコントロールの動機付けを目的としていない、歯科疾患管理料、周術期等口腔機能管理料（Ⅰ）、周術期等口腔機能管理料（Ⅱ）、周術期等口腔機能管理料（Ⅲ）、周術期等口腔機能管理料（Ⅳ）、回復期等口腔機能管理料、歯科特定疾患療養管理料、歯科疾患在宅療養管理料、在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料又は小児在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料のいずれも算定している患者に該当していない、継続的な管理を行っていない。

【コメント】
歯周病患者画像活用指導料の算定要件の理解が求められます。

　３　必要性のない画像撮影

【小児口腔機能管理料、フッ化物歯面塗布処置】の所定点数に含まれる写真撮影に係る費用を歯周病患者画像活用指導料として誤って算定している例が認められたので改めること。

同一部位に対して、必要性の認められない複数回の画像撮影を行っている例が認められたので改めること。

口腔内カラー写真において、プラークコントロールの動機付けに必要な部位が撮影されていない不適切な例が認められたので改めること。

歯周病患者画像活用指導料は、歯周病に罹患している患者に対しプラークコントロールの動機付けを目的として、口腔内カラー写真を用いて療養上必要な指導及び説明を行うものである旨を踏まえ、適切に実施すること。

口腔内カラー写真の整理・保管に不備のある例が認められたので、適切に整理・保管すること。

【コメント】
画像撮影は、患者のプラークコントロールの動機付けとの観点を念頭に適切に実施することが求められており、個別指導などでは、カルテへの係る記載や説明を指導医療官から求められた場合にその必要性などを説明等できることが求められます。

個別指導、監査に臨む歯科医の方は、お電話下さい。歯科の個別指導、監査への対応を弁護士がサポートし、指導監査に弁護士が同席します。

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