歯科疾患管理料の文書提供加算の留意事項

歯科保険診療指摘事項（12）：歯科疾患管理料の文書提供加算

歯科の個別指導・監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。

サンベル法律事務所は、全国からご依頼を頂き、厚生局の指導監査の対応業務をしています。

歯科の個別指導、監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。

ここでは、歯科の保険診療に関して、文書提供加算（歯管）での留意事項、個別指導での指摘事項などについてご説明します。

ご説明は、厚生労働省保険局医療課医療指導監査室の保険診療確認事項リスト（歯科）令和６年度改訂版ｖｅｒ．２４１１に基づくもので、弁護士鈴木が適宜加筆修正等しています。最新の取扱いではない可能性や、また、地域などにより運用等異なる場合があることに注意が必要です。

なお、歯科の個別指導、監査に臨む歯科医師の方は、個別指導の基本的な仕組みや対応法など記載しておりますので、まずはこちらのコラム歯科の個別指導と監査をお読みいただくことをお勧めします。

また、手前味噌ですが、もしよろしければ、拙著『歯科の個別指導・監査・医道審議会の行政処分への対応法【改訂版】』（２０２２年１１月２５日出版）もご参考いただければ幸いです。

歯管の文書提供加算での指摘事項

　１　提供文書の写しのカルテへの添付

算定要件を満たしていない歯科疾患管理料に係る文書提供加算を算定している次の例が認められたので改めること。

すなわち、患者等に提供した文書の写しを診療録に添付していない。

【コメント】
歯科疾患管理料での文書提供加算を算定した場合、患者に提供した文書のコピーをカルテに添付することが求められます。面倒でも、コピーを添付することを失念しないようにして下さい。

厚生局の新規個別指導、個別指導では、文書提供加算を算定している場合、提供文書の写しのカルテへの添付をまず確認されるものと心得るべきです。添付がない場合は、指導医療官から、不適切であると指摘されるなどすることになります。

　２　提供文書の記載内容

歯科疾患管理料の文書提供加算に係る提供文書に記載すべき内容について、【画一的に記載している、記載の不十分な】例が認められたので、次の事項について個々の症例に応じて適切に記載すること。

すなわち、文書の提供年月日、患者氏名、患者の基本状況【基礎疾患、服薬、生活習慣等】＜初回用のみ＞、口腔の状態【口腔内の状況、歯や歯肉の状態、口腔機能の問題等】、必要に応じて実施した検査結果等の要点、治療方針の概要等【これまでの治療＜継続用のみ＞、改善目標、治療の予定等】。

【コメント】
歯管の提供文書の記載内容について、実際の診療現場では限られた時間の中でのできる範囲での作成となりますが、上記事項について、不足のない内容が求められます。

　３　提供文書の作成・提供

管理に係る文書の作成、提供を行っていないにもかかわらず、歯科疾患管理料に係る文書提供加算を誤って算定している例が認められたので改めること。

【コメント】
文書の作成、患者への提供を行っていないにもかかわらず算定をすることは不適切です。算定しているものの実は作成・提供を行っていなかったということのないよう、勤務医・スタッフの管理も含め、医院運営を徹底することが求められます。

新規個別指導・個別指導では、歯科疾患管理料の文書提供加算について、適切であるか、重点的にチェックされる事項というべきですので、適切な算定となるよう、十分留意して下さい。

個別指導、監査に臨む歯科医の方は、お電話下さい。歯科の個別指導、監査への対応を弁護士がサポートし、指導監査に弁護士が同席します。

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