小児口腔機能管理料の留意事項

歯科保険診療指摘事項（15）：小児口腔機能管理料

歯科の個別指導・監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。

サンベル法律事務所は、全国からご依頼を頂き、厚生局の指導監査の対応業務をしています。

歯科の個別指導、監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。

ここでは、歯科の保険診療に関して、小児口腔機能管理料（小機能）での留意事項、個別指導での指摘事項などについてご説明します。

ご説明は、厚生労働省保険局医療課医療指導監査室の保険診療確認事項リスト（歯科）令和６年度改訂版ｖｅｒ．２４１１に基づくもので、弁護士鈴木が適宜加筆修正等しています。最新の取扱いではない可能性や、また、地域などにより運用等異なる場合があることに注意が必要です。

なお、歯科の個別指導、監査に臨む歯科医師の方は、個別指導の基本的な仕組みや対応法など記載しておりますので、まずはこちらのコラム歯科の個別指導と監査をお読みいただくことをお勧めします。

また、手前味噌ですが、もしよろしければ、拙著『歯科の個別指導・監査・医道審議会の行政処分への対応法【改訂版】』（２０２２年１１月２５日出版）もご参考いただければ幸いです。

小児口腔機能管理料（小機能）での指摘事項

　１　管理計画の策定、文書提供

算定要件を満たしていない小児口腔機能管理料を算定している次の例が認められたので改めること。

すなわち、口腔機能の評価及び一連の口腔機能の管理計画を策定していない、患者等に対し口腔機能の評価及び一連の口腔機能の管理計画に係る情報を文書により提供していない、管理計画に係る提供文書の写しを診療録に添付していない、当該管理料の初回算定日に口腔外又は口腔内カラー写真撮影を実施していない、患者の状態に応じて行う口腔外又は口腔内カラー写真撮影を、初回算定日の後、当該管理料を３回算定するに当たり１回以上行っていない、撮影した口腔外又は口腔内カラー写真を診療録に添付又はデジタル撮影した画像を電子媒体に保存・管理していない、管理内容を診療録に記載又は管理に係る記録若しくはその写しを診療録に添付していない、管理計画に基づいた口腔機能管理を行っていない。

【コメント】
小児口腔機能管理料に関しては、厚生局の新規個別指導、個別指導では、不十分と指摘されやすい算定項目と思われますので、十分注意して下さい。

小児口腔機能管理料とは、18歳未満の口腔機能の発達不全を認める患者に対して、正常な口腔機能の獲得を目的として行う医学管理を評価したものをいい、関係学会の診断基準により口腔機能発達不全症と診断されている患者のうち、評価項目において３項目以上に該当する小児に対して、管理計画に基づき継続的な管理を実施する場合に当該管理料を算定するものとされています。

管理を行うに当たっては、関係学会より示されている「口腔機能発達不全症に関する基本的な考え方」（令和６年３月日本歯科医学会）を参考とすることとされています。

小児口腔機能管理料を算定するに当たっては、口腔機能の評価及び一連の口腔機能の管理計画を策定し、患者等に対して説明するとともに、当該管理計画に係る情報を文書により提供し、提供した文書の写しを診療録に添付する、また、当該管理を行った場合においては、管理内容を診療録に記載し、又は管理に係る記録を文書により作成している場合においては、当該記録若しくはその写しを診療録に添付することとされています。

患者の成長発達に伴う口腔内等の状況変化の確認を目的として、患者の状態に応じて口腔外又は口腔内カラー写真撮影を行うこと、写真撮影は、当該管理料の初回算定日には必ず実施し、その後は少なくとも当該管理料を３回算定するに当たり１回以上行うものとし、診療録に添付又はデジタル撮影した画像を電子媒体に保存・管理することが求められます。

　２　１８歳未満の患者

算定できない小児口腔機能管理料を算定している次の例が認められたので改めること。

すなわち、歯科疾患管理料又は歯科特定疾患療養管理料を算定していない、18歳未満の患者に該当していない、「口腔機能発達不全症に関する基本的な考え方」（令和６年３月　日本歯科医学会）に示されている評価項目において、３項目以上に該当していない、継続的な管理が行われていない、同一月に【周術期等口腔機能管理料【（Ⅰ）、（Ⅱ）、（Ⅲ）、（Ⅳ）】、回復期等口腔機能管理料、歯科疾患在宅療養管理料、小児在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料、歯科矯正管理料】を算定している。

【コメント】
算定要件の正確な理解が求められます。

　３　管理内容の適切な記載

小児口腔機能管理料を算定した月に、診療録（管理に係る記録を文書により作成している場合においてはその文書）に記載すべき内容について、【画一的に記載している、記載の不十分な】例が認められたので、管理内容について個々の症例に応じて適切に記載すること。

小児口腔機能管理料は、口腔機能の発達不全が認められる小児のうち、継続的な管理が必要な患者に対して、正常な口腔機能の獲得を目的として行う医学管理について評価したものであることを踏まえ、適切に実施すること。

【コメント】
厚生局の新規個別指導、個別指導では、管理内容などについてカルテ（または管理に係る記録の文書）への充実した記載があると、指導医療官の印象が良いものと考えられます。

個別指導、監査に臨む歯科医の方は、お電話下さい。歯科の個別指導、監査への対応を弁護士がサポートし、指導監査に弁護士が同席します。

歯科の指導、監査のコラム

歯科医院の指導、監査の弁護士のコラムの一覧です。
小児口腔機能管理料（小機能）の留意事項の他、様々なコラムがございます。
個別指導（歯科）の際や日常の診療にご活用下さい。

　１　歯科の指導監査に関するコラム

１　歯科の個別指導と監査の対応法

２　歯科の新規個別指導の対応法

　２　歯科保険診療指摘事項のコラム

小児口腔機能管理料の留意事項

指導監査

SUNBELL LAW OFFICE弁護士個別指導

サンベル法律事務所
〒160-0004
東京都新宿区四谷1-18
オオノヤビル7階
TEL 03-5925-8437
FAX 03-5925-8438

弁護士鈴木陽介歯科書籍歯科個別指導

インターアクション，2022年

弁護士鈴木陽介歯科書籍歯科 M&A

学建書院，2016年

弁護士鈴木陽介歯科書籍歯科弁護士

クインテッセンス出版，2013年

小児口腔機能管理料の厚生局の指摘事項のコラムです。保険診療の個別指導、監査への対応・帯同は、歯科医院の指導監査に強い弁護士にご相談下さい。