文書提供加算（歯科疾患在宅療養管理料）の算定留意事項

歯科保険診療指摘事項（40）：文書提供加算（歯科疾患在宅療養管理料）

歯科の個別指導・監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。

サンベル法律事務所は、全国からご依頼を頂き、厚生局の指導監査の対応業務をしています。

歯科の個別指導、監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。

ここでは、歯科の保険診療に関して、歯科疾患在宅療養管理料（歯在管）での文書提供加算の算定留意事項、個別指導での指摘事項などについてご説明します。

ご説明は、厚生労働省保険局医療課医療指導監査室の保険診療確認事項リスト（歯科）令和６年度改訂版ｖｅｒ．２４１１に基づくもので、弁護士鈴木が適宜加筆修正等しています。最新の取扱いではない可能性や、また、地域などにより運用等異なる場合があることに注意が必要です。

なお、歯科の個別指導、監査に臨む歯科医師の方は、個別指導の基本的な仕組みや対応法など記載しておりますので、まずはこちらのコラム歯科の個別指導と監査をお読みいただくことをお勧めします。

また、手前味噌ですが、もしよろしければ、拙著『歯科の個別指導・監査・医道審議会の行政処分への対応法【改訂版】』（２０２２年１１月２５日出版）もご参考いただければ幸いです。

歯在管の文書提供加算での指摘事項

　１　算定要件を満たしていない文書提供加算

算定要件を満たしていない歯科疾患在宅療養管理料に係る文書提供加算を算定している次の例が認められたので改めること。

すなわち、患者等に提供した文書の写しを診療録に添付していない、患者等に「別紙様式３」又はこれに準じた様式の文書を提供していない。

【コメント】
歯科疾患在宅療養管理料（歯在管）の文書提供加算について、管理計画に基づき、当該患者等に対し、その内容を文書により提供した場合は文書提供加算を算定し、その場合においては、患者等に提供した文書の写しを診療録に添付し、その文書の内容以外に療養上必要な管理事項がある場合は、その要点を診療録に記載する、ただし、患者等に提供する文書の様式は、「別紙様式３」又はこれに準じた様式とし、なお、診療日当日に患家において計画書を作成することが困難な場合においては、次回の診療日までの間に計画書を作成し、当該計画書の写しを診療録に添付しても差し支えないとされています。

　２　提供文書の適切な記載

歯科疾患在宅療養管理料の文書提供加算に係る提供文書に記載すべき内容について【画一的に記載している、記載の不十分な】例が認められたので、次の事項について個々の症例に応じて適切に記載すること。

すなわち、管理計画書の提供年月日、患者氏名、性別、生年月日、全身の状態【基礎疾患、服薬、肺炎の既往、低栄養リスク】、口腔内の状態【口腔衛生の状況、口腔乾燥、う蝕、歯周疾患、口腔軟組織疾患、義歯の使用状況、咬合接触】、口腔機能等【口腔咽頭機能、咀嚼運動、構音機能、頸部可動性、食事摂取状況】、口腔清掃状況等【口腔清掃の状況、うがいの状況】、管理方針等。

【コメント】
歯科疾患在宅療養管理料（歯在管）の文書提供加算については、１回目に限らず、歯科疾患在宅療養管理料の算定にあたり、歯科疾患の管理に係る内容を文書により提供した場合に算定できるものとされています。

　３　文書の作成、提供

管理に係る文書の作成、提供を行っていないにもかかわらず、歯科疾患在宅療養管理料に係る文書提供加算を誤って算定している例が認められたので改めること。

【コメント】
文書を作成、提供していない場合は、歯科疾患在宅療養管理料（歯在管）の文書提供加算を算定することはできず、このような算定が厚生局の新規個別指導や個別指導などで散見された場合は、場合によっては、精査が必要であると判断され、指導が中断されるなどすることが考えられます。

個別指導、監査に臨む歯科医の方は、お電話下さい。歯科の個別指導、監査への対応を弁護士がサポートし、指導監査に弁護士が同席します。

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１　歯科の個別指導と監査の対応法

２　歯科の新規個別指導の対応法

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