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歯科訪問診療料、歯訪診の算定での厚生局の指摘事項のコラムです。保険診療の個別指導、監査は、歯科医院の指導監査に強い弁護士にご相談下さい。

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歯科保険診療指摘事項(30):歯科訪問診療料(歯訪診)

歯科の個別指導・監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。

サンベル法律事務所は、全国からご依頼を頂き、厚生局の指導監査の対応業務をしています。

歯科の個別指導、監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。


ここでは、歯科の保険診療に関して、歯科訪問診療料(歯訪診)での算定留意事項、個別指導での指摘事項などについてご説明します。

ご説明は、厚生労働省保険局医療課医療指導監査室の保険診療確認事項リスト(歯科)令和6年度改訂版ver.2411に基づくもので、弁護士鈴木が適宜加筆修正等しています。最新の取扱いではない可能性や、また、地域などにより運用等異なる場合があることに注意が必要です。

なお、歯科の個別指導、監査に臨む歯科医師の方は、個別指導の基本的な仕組みや対応法など記載しておりますので、まずはこちらのコラム歯科の個別指導と監査をお読みいただくことをお勧めします。

また、手前味噌ですが、もしよろしければ、拙著『歯科の個別指導・監査・医道審議会の行政処分への対応法【改訂版】』(2022年11月25日出版)もご参考いただければ幸いです。


歯科訪問診療料(歯訪診)での指摘事項


 1 算定要件を満たしていない歯訪診

算定要件を満たしていない歯科訪問診療料を算定している次の例が認められたので改めること。すなわち、切削器具を常時携行していない、第1回目の歯科訪問診療の際に、当該患者の病状に基づいた訪問診療の計画の要点を診療録に記載又は当該計画書の写しを診療録に添付していない、歯科訪問診療の2回目以降に計画の変更を行った場合に、変更の要点を診療録に記載していない、【実施時刻(開始時刻と終了時刻)、訪問先名、歯科訪問診療の際の患者の状態等(急変時の対応の要点を含む)】を診療録に記載していない、診療録及び診療報酬明細書に記載すべき【実施時刻(開始時刻と終了時刻)、訪問先名、歯科訪問診療の際の患者の状態等(急変時の対応の要点を含む。)】について実態と異なっている。

算定要件を満たしていない【歯科訪問診療【2、3、4、5】、【注 15、注 19】に規定する歯科訪問診療料】を算定している次の例が認められたので改めること。すなわち、歯科訪問診療を行った日時及び訪問診療を行った歯科医師の氏名が記載された文書を患者若しくはその家族又は介護施設職員等の関係者のいずれにも提供していない、歯科訪問診療を行った日時及び訪問診療を行った歯科医師の氏名が記載された文書の写しを保険医療機関に保管していない。

【コメント】
歯科訪問診療料は、診療の時間やそもそも歯科医師が訪問診療をしているかなど、特に情報提供があった場合は、新規個別指導や個別指導などで重点的にチェックされることになります。

歯科訪問診療料は、在宅等において療養を行っており、疾病、傷病のため通院による歯科治療が困難な患者を対象としていることから、通院が容易な者に対して安易に算定できず、この場合において、療養中の当該患者の在宅等から屋外等への移動を伴わない屋内で診療を行った場合に限り算定する、なお、歯科訪問診療を実施するに当たっては、急性症状の発症時等に即応できる環境の整備が必要なことから、歯科訪問診療料は切削器具を常時携行した場合に算定し、また、この区分において、診療時間については、同一日に当該患者に対して複数回の歯科訪問診療を行った場合は、その合計した時間を診療に要した時間とするものとされています。

歯科訪問診療を実施する保険医療機関は、歯科訪問診療を開始する月の前月までに別に厚生労働大臣が定める基準(歯科訪問診療料の「注15」に規定する基準)を満たす旨を地方厚生(支)局長に届け出るものとし、ただし、在宅療養支援歯科診療所1又は在宅療養支援歯科診療所2の届出を行っている場合は、この限りではなく、歯科訪問診療を行った後に、患者又はその家族等が単に薬剤を受け取りに保険医療機関に来た場合は、再診料は算定できないとされています。

「在宅等」は、介護老人保健施設、特別養護老人ホーム等のほか、歯科、小児歯科、矯正歯科又は歯科口腔外科を標榜する保険医療機関以外の保険医療機関も含まれ、これらに入院する患者についても算定する、ただし、歯科、小児歯科、矯正歯科又は歯科口腔外科を標榜する保険医療機関に入院する患者について、当該保険医療機関の歯科医師が当該患者の入院する病院の歯科医師と連携のもとに周術期等口腔機能管理並びに回復期等口腔機能管理及びそれらに伴う治療行為を行う場合については歯科訪問診療料及びその他の特掲診療料を算定できるとされています。


 2 算定できない歯訪診

算定できない歯科訪問診療料を算定している次の例が認められたので改めること。すなわち、特別の関係にある保険医療機関等へ訪問している、【在宅等において療養を行っており疾病・傷病のため通院による歯科治療が困難な患者、患者の求めに応じた歯科訪問診療、継続診療について当該患者の同意を得た歯科訪問診療】に該当していない、当該患者が居住する建物の屋内で診療を行っていない、歯科・小児歯科・矯正歯科・歯科口腔外科を標榜する保険医療機関に入院する患者である(当該患者の入院する病院の歯科医師と連携のもとに周術期等口腔機能管理及び周術期等口腔機能管理に伴う治療行為を行う場合を除く。)。

算定できない【歯科訪問診療【1、2、3、4、5】、【注 15、注 19】に規定する歯科訪問診療料】の所定点数[10点を減算していない所定点数]を算定している次の例が認められたので改めること。すなわち、初診料の注1又は注2に規定する施設基準に係る届出を行っていない。

【コメント】
特定の被保険者の求めに応ずるのではなく、保険診療を行う目的をもって定期又は不定期に在宅等へ赴き、被保険者(患者)を診療する場合は、歯科訪問診療として取り扱うことは認められず、歯科訪問診療料及びその他の特掲診療料は算定できない、歯科訪問診療料を算定する場合は、当該初診期間における第1回目の歯科訪問診療の際に、当該患者の病状に基づいた訪問診療の計画を定めるとともに、その計画の要点を診療録に記載すること、2回目以降に計画の変更を行う場合は、変更の要点を診療録に記載する、なお、2回以上の継続的な歯科訪問診療が予定される場合においては、次回の診療日までの間に計画書を作成し、当該計画書の写しを診療録に添付しても差し支えないとされています。


疾病等のため通院による歯科治療が困難な場合以外の歯科訪問診療の必要性を認めない患者は、歯科訪問診療料及び歯科診療に係る費用は算定できないとされています。

 3 カルテへの適切な記載

【【在宅療養支援歯科診療所1、在宅療養支援歯科診療所2、注15に規定する歯科訪問診療料】に係る施設基準の届出を行っていない場合、特別の関係にある保険医療機関等へ訪問している場合】に、歯科訪問診療料の【注15、注19】に規定する【「イ 初診時」、「ロ 再診時」】として算定すべきものを歯科訪問診療【1、2、3、4、5】で算定している例が認められたので改めること。

診療録に記載すべき内容について【画一的に記載している、記載の不十分な】例が認められ たので、次の事項について個々の症例に応じて適切に記載すること。すなわち、患者の病状に基づいた訪問診療計画の要点、実施時刻(開始時刻と終了時刻)、訪問先名(歯科訪問診療を開始した日、変更が生じた場合はその都度)、歯科訪問診療の際の患者の状態等(急変時の対応の要点を含む。)。

【コメント】
歯科訪問診療を行った場合は、診療録に次の事項を記載する、ただし、ロに関しては、歯科訪問診療を開始した日に限り記載することとするが、変更が生じた場合は、その都度記載する、また、ハに関して、「2 歯科訪問診療2」又は「3 歯科訪問診療3」による歯科訪問診療を行う場合において歯科訪問診療の治療中に患者の容体が急変し医師の診察を要する場合等やむを得ず治療を中止した場合は診療した時間が20分未満であっても「2 歯科訪問診療2」又は「3 歯科訪問診療3」の所定点数を算定するがその場合においては急変時の対応の要点を記載するとされています。
イ 実施時刻(開始時刻と終了時刻)
ロ 訪問先名(記載例:自宅、○○マンション、介護老人保健施設××苑)
ハ 歯科訪問診療の際の患者の状態等(急変時の対応の要点を含む。)


歯科訪問診療料に係る診療時間に、【診療前の準備に要した時間、診療後の片付けに要した時間、患者の移動に要した時間、訪問歯科衛生指導料又は歯科衛生実地指導料の算定の対象となった指導の時間】を含めている例が認められたので、実際に診療を実施した時刻について記録すること。

保険医療機関の所在地と訪問先の所在地との距離が16qを超えていた場合に、当該保険医療機関からの歯科訪問診療を必要とするやむを得ない絶対的な理由(患家付近に他の歯科医師がいない、いても専門外である、旅行中で不在である、普段患者が受診や相談等を行っている保険医療機関や歯科医師がいない、普段当該患者が受診や相談を行っている保険医療機関が対応不可又は連絡が付かない等)がないにもかかわらず、歯科訪問診療料及びその他の特掲診療料を誤って算定している例が認められたので改めること。

診療時間が20分未満の場合であるにもかかわらず、歯科訪問診療【2、3、4、5】の所定点数を誤って算定している例が認められたので改めること。(ただし、次のいずれかに該当する場合(診療時間が20分未満の場合でそれぞれの所定点数で算定できる場合)を除く。)。すなわち、歯科訪問診療2、3については治療中に患者の容体が急変し医師の診察を要する場合等やむを得ず治療を中止した場合に該当する場合。

同一建物で同一日に【2〜3人、4〜9人、10〜19人、20人以上】の患者を診療した場合に、歯科訪問診療【1、2、3、4】を誤って算定している例が認められたので改めること。

当該患者の診療に要した時間が1時間を超えた場合の所定点数の加算の算定が誤っている例が認められたので改めること。

【コメント】
保険医療機関の所在地と患家の所在地との距離が16キロメートルを超える歯科訪問診療は、当該保険医療機関からの歯科訪問診療を必要とする絶対的な理由がある場合に認められるものであって、この場合において、歯科訪問診療料の算定は、16キロメートル以内の場合と同様に取り扱う、この絶対的に必要であるという根拠がなく、特に患家の希望により16キロメートルを超える歯科訪問診療をした場合の歯科訪問診療は保険診療としては算定できないことから、患者負担とする、この場合において、「保険医療機関の所在地と患家の所在地との距離が16キロメートルを超えた場合」とは、当該保険医療機関を中心とする半径16キロメートルの圏域の外側に患家が所在する場合をいう、保険医療機関の所在地と患家の所在地との距離が16キロメートル以上の地域に居住する歯科医師に対して主治医が歯科訪問診療による対診を求めることができるのは、患家付近に他の歯科医師がいない、いても専門外である、旅行中で不在である等やむを得ない絶対的理由のある場合に限り認められるとされていますので、注意が必要です。

なお、歯科訪問診療に係る交通費は実費とされ、自家用車による費用を含み、ただし自転車・スクーター等の費用は歯科訪問診療料に含まれ患家の負担となる交通費には該当しないとされています。



個別指導、監査に臨む歯科医の方は、お電話下さい。歯科の個別指導、監査への対応を弁護士がサポートし、指導監査に弁護士が同席します。

歯科の指導、監査のコラム


歯科医院の指導、監査の弁護士のコラムの一覧です。
歯科訪問診療料(歯訪診)の算定留意事項の他、様々なコラムがございます。
個別指導(歯科)の際や日常の診療にご活用下さい。


 1 歯科の指導監査に関するコラム

1  歯科の個別指導と監査の対応法

2  歯科の新規個別指導の対応法


 2 歯科保険診療指摘事項のコラム

1  歯科の指摘事項(30):歯科訪問診療料

2  歯科の指摘事項(31):歯科診療特別対応加算

3  歯科の指摘事項(32):地域医療連携体制加算

4  歯科の指摘事項(33):歯科訪問診療補助加算

5  歯科の指摘事項(34):在宅歯科医療推進加算

6  歯科の指摘事項(35):通信画像情報活用加算

7  歯科の指摘事項(36):在宅医療DX情報活用

8  歯科の指摘事項(37):訪問歯科衛生指導料

9  歯科の指摘事項(38):複数名訪問歯科衛生指導

10 歯科の指摘事項(39):歯科疾患在宅療養管理料

11 歯科の指摘事項(40):文書提供加算(歯在管)

12 歯科の指摘事項(41):在宅総合医療管理加算

13 歯科の指摘事項(42):在宅歯科医療連携加算

14 歯科の指摘事項(43):在歯管

15 歯科の指摘事項(44):訪問口腔リハ

16 歯科の指摘事項(45):小訪問口腔リハ

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