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弁護士鈴木が力を入れている歯科個別指導監査に関するコラムです。
ここでは、歯科保健診療(カルテ・診療録)についてご説明します。内容は、厚生労働省保険局医療課医療指導監査室の公表資料「保健診療の理解のために」に基づいており、弁護士鈴木が適宜加筆修正等しています。
歯科の個別指導、監査に悩んでいる歯科医の方は、歯科の指導、監査に詳しい弁護士への速やかな相談をお勧めします。個別指導、監査は、弁護士を立ち会わせるべきです。詳しくは以下のコラムをご覧いただければ幸いです。
・ 歯科の個別指導と監査の上手な対応法
保険医療機関及び保険医療養担当規則第22条(診療録の記載)のほか、歯科医師法等でも記載義務が定められている
○歯科医師法第二十三条(診療録の記載及び保存)
歯科医師は、診療をしたときは、遅滞なく診療に関する事項を診療録に記載しなければならない。 前項の診療録にあって、病院又は診療所に勤務する歯科医師のした診療に関するものは、その病院又は診療所の管理者において、その他の診療に関するものは、その歯科医師において、五年間これを保存しなければならない。
○歯科医師法施行規則第二十二条(診療録の必要事項)
診療を受けた者の住所、氏名、性別及び年齢
病名及び主要症状
治療方法(処法及び処置)
診療の年月日
歯科診療録(カルテ)様式第一号(二)の2
(診療録第2面)
・月日
・部位
・療法
・処置
・点数
・負担金徴収額
※上記5項目のほか、保険医の署名又は記名押印が必要
・歯科医師が複数在籍
・レセコンの場合は歯科医師1人でも必要
遅滞のない適切な記載
– 診療録の標準様式(療担第22条,様式第1号)
整備・保存
– 診療録:完結の日から5年間
– その他の記録:完結の日から3年間(療担第9条)
診療録(カルテ)=診療報酬請求の根拠
事実に基づいて必要事項を十分に記載
診療の都度、遅滞なく必要事項の記載を十分に行う
記載はインクまたはボールペン(鉛筆は不可)で、訂正は下の文字が見るように二重線で行う
読み取れる字で書く
複数の歯科医師が同一の患者を診察する場合は、責任の所在を明確にするため、診療行為を行うごとに診察した歯科医師の署名又は記名押印する
傷病名を所定の様式に記載し、絶えず整理する
電子カルテに求められる要件
•見読性の確保
必要に応じ電磁的記録に記録された事項を出力することにより、直ちに明瞭かつ整然とした形式で使用に係る電子計算機その他の機器に表示し、及び書面を作成できるようにすること。
•真正性の確保
電磁的記録に記録された事項について、保存すべき期間中における当該事項の改変又は消去の事実の有無及びその内容を確認することができる措置を講じ、かつ、当該電磁的記録の作成に係る責任の所在を明らかにしていること。
•保存性の確保
電磁的記録に記録された事項について、保存すべき期間中において復元可能な状態で保存することができる措置を講じていること。
医療情報システム(電子カルテ)の注意点
•使用前に、ログアウトの状態であることを確認。
(≒ 席を離れる際には必ずログアウトする)
•パスワードは定期的に見直す
(不正アクセス防止)
診療録(カルテ)は診療の内容を証明する重要な文書である。
なぜその処置を選択したのか、その結果がどうだったのか、診断の根拠、治療の経過が見えるよう記載する必要がある。
保険診療の場合は、『留意事項通知』により、個々の診療行為に対し、それぞれ固有の記載事項が定められている。
パソコン等、OA機器により作成した診療録の場合は、診療を行った保険医は、必ず診療録を紙媒体に打ち出した後に記載内容を確認し、署名又は記名押印を行うこと。