舌圧検査（舌圧）の算定留意事項

歯科保険診療指摘事項（57）：舌圧検査（舌圧）

歯科の個別指導・監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。

サンベル法律事務所は、全国からご依頼を頂き、厚生局の指導監査の対応業務をしています。

歯科の個別指導、監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。

ここでは、歯科の保険診療に関して、舌圧検査（舌圧）での算定留意事項、個別指導での指摘事項などについてご説明します。

ご説明は、厚生労働省保険局医療課医療指導監査室の保険診療確認事項リスト（歯科）令和６年度改訂版ｖｅｒ．２４１１に基づくもので、弁護士鈴木が適宜加筆修正等しています。最新の取扱いではない可能性や、また、地域などにより運用等異なる場合があることに注意が必要です。

なお、歯科の個別指導、監査に臨む歯科医師の方は、個別指導の基本的な仕組みや対応法など記載しておりますので、まずはこちらのコラム歯科の個別指導と監査をお読みいただくことをお勧めします。

また、手前味噌ですが、もしよろしければ、拙著『歯科の個別指導・監査・医道審議会の行政処分への対応法【改訂版】』もご参考いただければ幸いです。

舌圧検査（舌圧）での指摘事項

　１　算定要件を満たしていない舌圧

算定要件を満たしていない舌圧検査を算定している次の例が認められたので改めること。

すなわち、検査結果を診療録に記載又は検査結果が分かる記録を診療録に添付していない。

【コメント】
舌圧検査（舌圧）とは、舌の運動機能を評価する目的で、舌を口蓋部に押し上げるときの圧力を舌圧計を用いて測定するものをいい、舌圧検査は、次のいずれかに該当する場合に算定するものとされています。
イ　問診、口腔内所見又は他の検査所見から、加齢等による口腔機能の低下が疑われる患者に対し、口腔機能低下症の診断を目的として実施した場合
ロ　問診、口腔内所見又は他の検査所見から、口腔機能の発達不全が疑われる患者に対し、口腔機能発達不全症の診断を目的として実施した場合

　２　算定できない舌圧

算定できない舌圧検査を算定している次の例が認められたので改めること。

すなわち、問診、口腔内所見又は他の検査所見から【加齢等による口腔機能の低下が疑われる患者、口腔機能の発達不全が疑われる患者】に該当していない、歯科疾患管理料、口腔機能管理料、小児口腔機能管理料、歯科特定疾患療養管理料、歯科疾患在宅療養管理料、小児在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料又は在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料を算定しているが、実態として継続的な口腔機能の管理を行っている患者に該当していない、口腔機能低下症又は口腔機能発達不全症の診断後の患者について、３月以内に２回以上算定している。

【コメント】
舌圧検査（舌圧）については、口腔機能低下症又は口腔機能発達不全症の診断後の患者については、歯科疾患管理料、小児口腔機能管理料、口腔機能管理料、歯科特定疾患療養管理料、歯科疾患在宅療養管理料、在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料又は小児在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料を算定し、継続的な口腔機能の管理を行っている場合に、３月に１回に限り算定するとされています。

上記以外に、「注２」に規定する患者に対して舌の運動機能を評価する目的で当該検査を行った場合は、月２回に限り算定し、なお、この場合において、広範囲顎骨支持型補綴物管理料、歯科口腔リハビリテーション料１の「２　舌接触補助床の場合」若しくは「３　その他の場合」、舌接触補助床、口蓋補綴、顎補綴又は広範囲顎骨支持型補綴と同日に算定して差し支えないとされています。

　３　カルテへの適切な記載

舌圧検査における検査結果について【診療録、診療録に添付した記録】の記載に不備のある例が認められたので、適切に記載すること。

【コメント】
舌圧検査（舌圧）について、カルテへの充実した記載が望まれます。

なお、有床義歯等の調整と同日に行った場合は歯科口腔リハビリテーション料１を別に算定し、「注２」に規定する患者に対して摂食機能療法と同日に当該検査を実施した場合は摂食機能療法と別に当該検査を算定でき、また、検査に係る費用は所定点数に含まれ別に算定できないものとされています。

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