歯周病部分的再評価検査（Ｐ部検）の算定留意事項

歯科保険診療指摘事項（51）：歯周病部分的再評価検査（Ｐ部検）

歯科の個別指導・監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。

サンベル法律事務所は、全国からご依頼を頂き、厚生局の指導監査の対応業務をしています。

歯科の個別指導、監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。

ここでは、歯科の保険診療に関して、歯周病部分的再評価検査（Ｐ部検）での算定留意事項、個別指導での指摘事項などについてご説明します。

ご説明は、厚生労働省保険局医療課医療指導監査室の保険診療確認事項リスト（歯科）令和６年度改訂版ｖｅｒ．２４１１に基づくもので、弁護士鈴木が適宜加筆修正等しています。最新の取扱いではない可能性や、また、地域などにより運用等異なる場合があることに注意が必要です。

なお、歯科の個別指導、監査に臨む歯科医師の方は、個別指導の基本的な仕組みや対応法など記載しておりますので、まずはこちらのコラム歯科の個別指導と監査をお読みいただくことをお勧めします。

また、手前味噌ですが、もしよろしければ、拙著『歯科の個別指導・監査・医道審議会の行政処分への対応法【改訂版】』もご参考いただければ幸いです。

歯周病部分的再評価検査（Ｐ部検）での指摘事項

　１　算定要件を満たしていないＰ部検

算定要件を満たしていない歯周病部分的再評価検査を算定している次の例が認められたので改めること。

すなわち、必要な検査のうち【ポケット深さの測定（４点以上）、プロービング時の出血の有無、必要に応じて行う歯の動揺度及びプラークチャートを用いたプラークの付着状況の検査】を実施していない、必要な検査のうち【歯周ポケット深さの測定（４点以上）、プロービング時の出血の有無、必要に応じて行う歯の動揺度及びプラークチャートを用いたプラークの付着状況の検査】の結果を診療録に記載又は検査結果が分かる記録を診療録に添付していない。

【コメント】
歯周病部分的再評価検査（Ｐ部検）とは、歯周病治療を目的として歯周外科手術を行った部位に対して、歯周病の治癒の状態の評価を目的として実施する検査であり、４点以上のポケット深さの測定、プロービング時の出血の有無及び必要に応じて歯の動揺度及びプラークチャートを用いてプラークの付着状況を検査した場合に算定することとされています。

歯周病部分的再評価検査（Ｐ部検）は、手術後１回に限り算定し、在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料及び歯周病安定期治療の算定期間中は算定できず、また、歯周病検査と同日に行う歯周病部分的再評価検査は歯周病検査に含まれ別に算定できないとされています。

　２　算定できないＰ部検

算定できない歯周病部分的再評価検査を算定している次の例が認められたので改めること。

すなわち、歯周病安定期治療の算定期間中である、【在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料、小児在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料】を算定した日以降に算定している、歯周外科手術を行っていない部位に行っている、歯周病治療以外を目的とした歯周外科手術を行った部位に行っている、歯周外科手術を行った部位に対して、歯周病の治癒の状態の評価を目的として実施していない、同一月に小児在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料を算定している。

【コメント】
歯周外科手術後に行う検査については、口腔内の状況に応じて歯周病部分的再評価検査または歯周病検査のいずれかを実施して算定して差し支えないとされています。

　３　カルテへの適切な記載

歯周病部分的再評価検査における【ポケット深さの測定、プロービング時の出血の有無、歯の動揺度、プラークチャート】の検査結果について、【診療録、診療録に添付した記録】の記載に不備のある例が認められたので、適切に記載すること。

臨床所見、画像診断所見等から判断して、歯周病部分的再評価検査の結果に不備のある例が認められたので、検査手技の改善を図る等適切に実施すること。

【コメント】
歯周病に関する検査は、個別指導では、場合によっては、指導医療官から、本当に実施しているのか、疑われることがありますので、そのようなことのないよう、要件を満たした検査の的確な実施と充実したカルテへの記載が望まれます。

個別指導、監査に臨む歯科医の方は、お電話下さい。歯科の個別指導、監査への対応を弁護士がサポートし、指導監査に弁護士が同席します。

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