電気的根管長測定検査（ＥＭＲ）の算定留意事項

歯科保険診療指摘事項（46）：電気的根管長測定検査（ＥＭＲ）

歯科の個別指導・監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。

サンベル法律事務所は、全国からご依頼を頂き、厚生局の指導監査の対応業務をしています。

歯科の個別指導、監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。

ここでは、歯科の保険診療に関して、電気的根管長測定検査（ＥＭＲ）での算定留意事項、個別指導での指摘事項などについてご説明します。

ご説明は、厚生労働省保険局医療課医療指導監査室の保険診療確認事項リスト（歯科）令和６年度改訂版ｖｅｒ．２４１１に基づくもので、弁護士鈴木が適宜加筆修正等しています。最新の取扱いではない可能性や、また、地域などにより運用等異なる場合があることに注意が必要です。

なお、歯科の個別指導、監査に臨む歯科医師の方は、個別指導の基本的な仕組みや対応法など記載しておりますので、まずはこちらのコラム歯科の個別指導と監査をお読みいただくことをお勧めします。

また、手前味噌ですが、もしよろしければ、拙著『歯科の個別指導・監査・医道審議会の行政処分への対応法【改訂版】』もご参考いただければ幸いです。

電気的根管長測定検査（ＥＭＲ）での指摘事項

　１　算定要件を満たしていないＥＭＲ

算定要件を満たしていない電気的根管長測定検査を算定している次の例が認められたので改めること。

すなわち、検査結果を診療録に記載又は検査結果の分かる記録を診療録に添付していない。

【コメント】
電気的根管長測定検査（ＥＭＲ）は、電気的抵抗を応用して根管長を測定するものをいい、１歯につき１回に限り所定点数を算定し、ただし、２以上の根管を有する歯にあっては、２根管目以上は１根管を増すごとに所定点数に一定点数を加算するものとされています。

算定した場合は、検査結果のカルテへの記載、または検査結果の分かる記録のカルテへの添付を忘れないようにして下さい。

　２　ＥＭＲの複数回算定

１歯につき１回に限り算定すべき電気的根管長測定検査を複数回算定している例が認められたので改めること。

【コメント】
電気的根管長測定検査（ＥＭＲ）は、１歯につき１回算定するものですので、複数回算定することのないよう注意が必要です。

　３　根管数の相違

電気的根管長測定検査の算定において、【　　】根管で算定すべきものを【　　】根管として誤って算定している例が認められたので改めること。

【コメント】
電気的根管長測定検査（ＥＭＲ）は、上記コメントでの記載のとおり、２根管以上の歯に対して実施した場合は、２根管目からは１根管を増すごとに所定点数への加算をすることとされており、根管数を正確に把握した上で正しい根管数に基づき算定することが求められます。

新規個別指導、個別指導では、厚生局の指導医療官に対して、自らが請求した根管数が正しいことを関係書類などに基づき説明・説得できることが重要です。カルテなどに関する記載がなく説得できない場合は、係る算定について自主返還を求められるなどすることに繋がります。

個別指導、監査に臨む歯科医の方は、お電話下さい。歯科の個別指導、監査への対応を弁護士がサポートし、指導監査に弁護士が同席します。

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