咀嚼能力検査（咀嚼１、咀嚼２）の算定留意事項

歯科保険診療指摘事項（54）：咀嚼能力検査（咀嚼能力）

歯科の個別指導・監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。

サンベル法律事務所は、全国からご依頼を頂き、厚生局の指導監査の対応業務をしています。

歯科の個別指導、監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。

ここでは、歯科の保険診療に関して、施設基準に係る咀嚼能力検査（咀嚼１、咀嚼２）での算定留意事項、個別指導での指摘事項などについてご説明します。

ご説明は、厚生労働省保険局医療課医療指導監査室の保険診療確認事項リスト（歯科）令和６年度改訂版ｖｅｒ．２４１１に基づくもので、弁護士鈴木が適宜加筆修正等しています。最新の取扱いではない可能性や、また、地域などにより運用等異なる場合があることに注意が必要です。

なお、歯科の個別指導、監査に臨む歯科医師の方は、個別指導の基本的な仕組みや対応法など記載しておりますので、まずはこちらのコラム歯科の個別指導と監査をお読みいただくことをお勧めします。

また、手前味噌ですが、もしよろしければ、拙著『歯科の個別指導・監査・医道審議会の行政処分への対応法【改訂版】』もご参考いただければ幸いです。

咀嚼能力検査（咀嚼能力）での指摘事項

　１　算定要件を満たしていない咀嚼能力

算定要件を満たしていない咀嚼能力検査【１、２】を算定している次の例が認められたので改めること。

すなわち、検査結果を診療録に記載又は検査結果が分かる記録を診療録に添付していない。

【コメント】
咀嚼能力検査（咀嚼能力）とは、グルコース分析装置（グルコース含有グミゼリー咀嚼時のグルコース溶出量を測定するもの）を用いて咀嚼能率を測定する検査をいうものとされています。

「１　咀嚼能力検査１」は、問診、口腔内所見又は他の検査所見から加齢等による口腔機能の低下が疑われる患者に対し、口腔機能低下症の診断を目的として実施した場合に算定し、「１咀嚼能力検査１」については、口腔機能低下症の診断後の患者については、歯科疾患管理料、口腔機能管理料、歯科特定疾患療養管理料、歯科疾患在宅療養管理料又は在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料を算定し、継続的な口腔機能の管理を行っている場合に、３月に１回に限り算定するものとされています。

「２　咀嚼能力検査２」は、顎変形症に係る手術を実施する患者に対し、咀嚼機能の管理を目的として実施した場合に、手術前は１回に限り、手術後は、６月に１回に限り算定するものとされています。

　２　算定できない咀嚼能力

算定できない咀嚼能力検査【１、２】を算定している次の例が認められたので改めること。

すなわち、咀嚼能力検査に係る施設基準の届出を行っていない、問診、口腔内所見又は他の検査所見から加齢等による口腔機能の低下が疑われる患者に該当していない、同一月に有床義歯咀嚼機能検査を算定している、歯科疾患管理料、口腔機能管理料、歯科特定疾患療養管理料、歯科疾患在宅療養管理料、又は在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料を算定していない、歯科疾患管理料、口腔機能管理料、歯科特定疾患療養管理料、歯科疾患在宅療養管理料、又は在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料を算定しているが、実態として継続的な口腔機能の管理を行っていない、口腔機能低下症の診断後の患者について３月以内に２回以上算定している、顎変形症に係る手術を実施する患者に該当していない、顎変形症に係る手術を実施する患者について手術前に２回以上算定している、顎変形症に係る手術を実施する患者について手術後に６月以内に２回以上算定している、咬合圧検査を算定した月から起算して３月以内（顎変形症に係る手術後にあっては、６月以内）に算定している。

【コメント】
有床義歯等の調整を同日に行った場合は、広範囲顎骨支持型補綴物管理料又は歯科口腔リハビリテーション料１を別に算定し、また、検査に係る費用は所定点数に含まれ、別に算定できないとされています。

　３　カルテへの適切な記載

咀嚼能力検査【１、２】における検査結果について【診療録、診療録に添付した記録】の記載に不備のある例が認められたので、適切に記載すること。

【コメント】
咀嚼能力検査（咀嚼能力）には、施設基準がありますので、注意して下さい。

なお、口腔機能発達不全症が疑われる患者に対して、診断を目的として咀嚼能力検査を行った場合、咀嚼能力検査は算定できないものとされています。

個別指導、監査に臨む歯科医の方は、お電話下さい。歯科の個別指導、監査への対応を弁護士がサポートし、指導監査に弁護士が同席します。

歯科の指導、監査のコラム

歯科医院の指導、監査の弁護士のコラムの一覧です。
咀嚼能力検査、咀嚼１、咀嚼２の算定留意事項の他、様々なコラムがございます。
個別指導（歯科）の際や日常の診療にご活用下さい。

　１　歯科の指導監査に関するコラム

１　歯科の個別指導と監査の対応法

２　歯科の新規個別指導の対応法

　２　歯科保険診療指摘事項のコラム

咀嚼能力検査（咀嚼１、咀嚼２）の算定留意事項

指導監査

SUNBELL LAW OFFICE弁護士個別指導

サンベル法律事務所
〒160-0004
東京都新宿区四谷1-18
オオノヤビル7階
TEL 03-5925-8437
FAX 03-5925-8438

弁護士鈴木陽介歯科書籍歯科個別指導

インターアクション，2022年

弁護士鈴木陽介歯科書籍歯科 M&A

学建書院，2016年

弁護士鈴木陽介歯科書籍歯科弁護士

クインテッセンス出版，2013年

咀嚼能力検査、咀嚼１、咀嚼２の算定での厚生局の指摘事項のコラムです。保険診療の個別指導、監査は、歯科医院の指導監査に強い弁護士にご相談下さい。