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弁護士鈴木が力を入れている歯科個別指導監査に関するコラムです。
ここでは、歯科保健診療(歯科の指導・監査)についてご説明します。内容は、厚生労働省保険局医療課医療指導監査室の公表資料「保健診療の理解のために【歯科】(平成28年度)」に基づいており、弁護士鈴木が適宜加筆修正等しています。
歯科の個別指導、監査に悩んでいる歯科医の方は、歯科の指導、監査に詳しい弁護士への速やかな相談をお勧めします。個別指導、監査では、弁護士を立ち会わせるべきです。詳しくは以下のコラムをご覧いただければ幸いです。
・ 歯科の個別指導と監査の上手な対応法
保険診療の質的向上と適正化を目的として行われるものであり、保険医療機関、保険医として指定、登録されたすべてが対象となり得る。
指導には、集団指導、集団的個別指導及び個別指導がある。個別指導のうち、厚生労働省・地方厚生(支)局・都道府県が共同して行うものを共同指導といい、特に大学附属病院、臨床研修指定病院等を対象として行うものを特定共同指導という。
診療内容及び診療報酬請求に不正又は著しい不当があったことを疑うに足る理由がある場合に行われる。
監査後の行政上の措置として、保険医療機関、保険医の「取消」「戒告」「注意」がある。
また、本来、「取消」を行うべき事例であるが、すでに保険医療機関が廃止され、又は保険医が登録抹消している等の場合には、「取消相当」という扱いとし、「取消」と同等に取扱われる。
なお、不正請求の例としては次のようなものがある。
@ 架空請求
診療の事実がないものを診療したとして請求すること。
A 付増請求
実際に行った診療に行っていない診療を付増して請求すること。
B 振替請求
実際に行った診療を保険点数の高い別の診療に振替えて請求すること。
C 二重請求
自費診療で行って患者から費用を受領しているにもかかわらず、保険でも診療報酬を請求すること。
D その他の請求
a 医師数、看護師等数の標欠
b 定数超過入院
c 非保険医の診療、業務上の傷病についての診療に関して請求すること。
d 保険医療機関以外の場所での診療に関して請求すること。
e 保険請求できない診療行為(押し掛け往診、健康診断、無診察投薬、自己診療等)等に関して請求すること。
◆ 取消処分となった場合は、原則 5 年間は再指定・再登録は行われないこととされている。
こうした不正な行為は、医療保険の世界に限らず社会のどの分野においてもあってはならないことであるが、特に現物給付、出来高払いを基本とする医療保険においては、制度を維持する上で致命的なものであると言える。故意に不正請求することは論外であり、通常の診療報酬請求を行っているのであれば起こり得ないものである。
仮に監査の場において、不正・不当な請求を行っていたことが明らかになれば、保険医療機関、保険医の取消等の厳しい行政措置が下されることとなる。また、行政措置のみならず、不正・不当な請求により支払われた診療報酬については、保険者に対し返還するとともに、患者から徴収した一部負担金の返還も必要となる。(不正請求については、支払いを受けた金額に最大40%の加算金が加算されることがある。)
・返還金額は、124億4,000万円。
・内訳:指導による返還分 …45億1,000万円
適時調査による返還分 …76億3,000万円
監査による返還分 …2億9,000万円