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行政通知に基づく医療法の解釈(説明義務、療養型病床群、地域医療支援病院)についてご説明します。医療法人の法律問題は、医療法人に強いサンベル法律事務所にご相談下さい。

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5 医療法人の行政通知:医療法の解釈(5)

医療法人に強い、歯科医師のための弁護士です。

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まず医療法人の行政通知のコラムの一覧をご紹介します。その上で、医療法の解釈(医療提供に当たっての説明義務、診療所の療養型病床群、地域医療支援病院、医療計画、医療法人、医業等に関する広告)についての行政通知のご説明を致します。内容は、厚生労働省の公表資料「医療法の一部改正について(平成9年12月26日,発健政第232号)」に基づいており、弁護士鈴木が適宜加筆修正等しています。

 医療法人の行政通知のコラム

1  医療法の解釈(1):医療法人の趣旨、成立、管理
2  医療法の解釈(2):医療法人の開設規制、医療計画
3  医療法の解釈(3):医療提供の理念の行政解釈
4  医療法の解釈(4):医療法人の附帯業務、会計処理
5  医療法の解釈(5):医療法の説明義務
6  医療法の解釈(6):医療法人の理事長、管理者の理事就任

7  医療法人の登記、設立
8  理事長の要件(医療法人)
9  医療機関の開設者と非営利性

10 医療法人の国際展開
11 医療法人の合併と分割(1):合併の意義、種類、手続き
12 医療法人の合併と分割(2):合併の手続き
13 医療法人の合併と分割(3):分割の意義、種類、手続き
14 医療法人の合併と分割(4):分割の手続き、医療審議会


 医療法人のその他のコラム

1  医療法人の法務
   ・ 医療法人のコラムの一覧

医療法の解釈(5):説明義務、療養型病床群、地域医療支援病院


医療法の一部改正について
(平成 9 年 12 月 26 日)
(発健政第 232 号)
(各都道府県知事あて厚生事務次官通知)
医療法の一部を改正する法律は、別添のとおり平成 9 年 12 月 17 日法律第 125 号をもって公布されたところであるが、その改正の趣旨及び要点は左記のとおりであるので、御了知の上、管下市町村、関係団体等にその周知徹底を図るとともに、その運用に遺憾のないよう取り扱われたく、命により通知する。

 1 改正の趣旨

 近年、人口構造の高齢化の進展、慢性疾患中心の疾病構造への変化、医療の質の向上に対する国民の要望の高まり等、我が国の医療を取り巻く環境は著しく変化している。こうした中で、要介護者の増大に対応するために介護体制の整備を図ることが重要な課題となっており、また、日常生活圏において、通常の医療需要に対応できるよう医療提供体制の整備を図ることや、患者の立場に立った医療に関する情報提供を促進することが一層求められている。
 今回の改正は、このような状況を踏まえ、要介護者の増大に対応するとともに、地域に必要な医療を確保するなど国民に良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の整備を図るため、療養型病床群制度の診療所への拡大、地域医療支援病院の創設及び医療計画制度の充実を行うとともに、医療法人の業務範囲の拡大等に関する規定の整備を行ったものであること。

 2 医療提供に当たっての説明

 医療は、医師等医療の担い手が患者の状況、立場を十分尊重しながら、患者との信頼関係に基づき提供されることが基本であり、近年の患者の健康意識の高まり、患者の医療需要の多様化・高度化、医療内容の専門化・複雑化等に伴い、医療提供者が患者に対し医療の内容について十分説明を行うことが求められている。このような状況を踏まえ、医療の担い手は、医療を提供するに当たり、適切な説明を行い、医療を受ける者の理解を得るよう努めるものとされたこと。

 3 診療所の療養型病床群

 我が国の急速な人口構造の高齢化に伴い、介護が必要な状態にある高齢者等が今後増大していくことが見込まれている。このような要介護者の増大に対応し要介護者を受け入れる体制の整備を図っていくため、身近な医療機関である診療所においても療養型病床群を設置できることとし、次の事項が規定されたこと。
(1)療養型病床群は、病院の病床のみならず、診療所の病床のうち一群のものであって、主として長期にわたり療養を必要とする患者(以下「長期療養患者」という。)を収容するためのものをいうものとすること。
(2)診療所に療養型病床群を設けようとする等のときは、都道府県知事の許可を受けるものとすること。
(3)診療所の療養型病床群に係る病床については、病院の一般病床と合わせて医療計画の必要病床数を算定し、これにより公的性格を有する診療所の療養型病床群の設置等に関し規制を行うこと。
(4)療養型病床群に収容された患者については、診療所の管理者は患者の収容時間制限の努力義務を負わないものとすること。
(5)療養型病床群を設ける診療所は、長期療養患者に適した厚生省令で定める員数の医師、看護婦、看護の補助の業務に従事する者等及び機能訓練室等の施設を有するものとすること。
(6)医療計画達成のための勧告の対象に、診療所の療養型病床群の設置等を加えること。

 4 地域医療支援病院

 医療は患者の身近な地域で提供されることが望ましいという観点から、今後、かかりつけ医、かかりつけ歯科医を地域における第一線の医療機関として位置づけるとともに、他の医療機関との適切な役割分担と連携を図っていく必要がある。このような観点に立って、かかりつけ医、かかりつけ歯科医を支援し、二次医療圏単位で地域医療の充実を図る病院として、地域医療支援病院の制度が設けられ、次の事項が規定されたこと。
(1)国、都道府県、市町村、6の(1)のイの特別医療法人等が開設する病院であって、地域医療の確保のために必要な支援に関する次に掲げる要件に該当するものは、都道府県知事の承認を得て地域医療支援病院と称することができるものとすること。
ア他の病院又は診療所から紹介された患者に対し医療を提供し、かつ、病院の建物等を当該病院に勤務しない医師等の診療等に利用させるための体制が整備されていること。
イ救急医療を提供する能力を有すること。
ウ地域の医療従事者の資質の向上を図るための研修を行わせる能力を有すること。
エ厚生省令で定める病床数以上の収容施設を有すること。
オ(6)に掲げる施設を有すること。
(2)都道府県知事は、地域医療支援病院を承認しようとするときは、あらかじめ、都道府県医療審議会の意見を聴かなければならないこと。
(3)地域医療支援病院でないものは、これに地域医療支援病院又はこれに紛らわしい名称を付けてはならないこと。
(4)地域医療支援病院の開設者は、業務に関する報告書を都道府県知事に提出しなければならないこと。
(5)地域医療支援病院の管理者は、厚生省令の定めるところにより、次に掲げる事項を行わなければならないこと。
ア病院の建物等を当該病院に勤務しない医師等の診療等に利用させること。
イ救急医療を提供すること。
ウ地域の医療従事者の資質の向上を図るための研修を行わせること。
エ診療等に関する記録を体系的に備え、かつ、当該病院に患者を紹介しようとする医師等の求めに応じ、診療に関する諸記録等のうち患者の秘密を害するおそれがないものを閲覧させること。
オ他の病院又は診療所から紹介された患者のために医療を提供すること。
(6)地域医療支援病院は、厚生省令の定めるところにより、集中治療室、病理等の検査施設、病理解剖室、研究室、図書室、諸記録等を有すること。
(7)都道府県知事は、地域医療支援病院が(1)に掲げる地域医療支援病院の承認要件を欠くに至ったとき、(4)若しくは(5)に違反するとき、又は構造設備の修繕命令等に違反したときは、その承認を取り消すことができること。
(8)総合病院に関する規定を廃止すること。

 5 医療計画

 日常の生活圏において、必要な医療を確保し、医療機関の機能分化と連携を図る観点から、医療計画を、通常の医療需要に対応するために設定されている二次医療圏を単位として、地域医療の体系化を図り、地域における真に効率的な医療提供体制を確立するための計画へと充実していくため、医療計画に関し次の事項が規定されたこと。
(1)都道府県が定める医療計画においては、病床の整備を図るべき地域的単位として区分する区域の設定及び必要病床数に関する事項のほか、次に掲げる事項を定めるものとされたこと。
ア地域医療支援病院の整備の目標、療養型病床群に係る病床の整備の目標その他機能を考慮した医療提供施設の整備の目標に関する事項
イ医療提供施設の整備、器械又は器具の共同利用等病院、診療所、薬局その他医療に関する施設の相互の機能の分担及び業務の連係に関する事項
ウ休日診療、夜間診療等の救急医療の確保に関する事項
エへき地の医療の確保が必要な場合にあっては、当該医療の確保に関する事項
オ医師及び歯科医師並びに薬剤師、看護婦その他の医療従事者の確保に関する事項
カその他医療を提供する体制の確保に関し必要な事項
(2)(1)に掲げる事項は、二次医療圏ごとの医療提供体制が明らかになるように定めるものとされたこと。
(3)(1)のアの療養型病床群に係る病床の整備の目標に関して標準を厚生省令で定めるものとされたこと。

 6 医療法人

(1)医療法人の業務の範囲が拡大され、次の事項が規定されたこと。
ア医療法人の業務は、新・高齢者保健福祉推進十か年戦略の達成という目的もあり、保健、医療、福祉の連携を図る視点から、これまでに在宅介護支援センターの設置、介護利用型軽費老人ホーム(ケアハウス)の経営等の在宅福祉事業の実施が認められてきたところである。今後は、さらに在宅サービス等に通じた人材や知見を有している医療法人が、短期入所生活介護(ショートステイ)や老人居宅介護等事業等の在宅福祉事業を展開していくことを可能としていく観点から、医療法人は、老人居宅介護等事業等の第二種社会福祉事業のうち厚生大臣の定めるものを行うことができるものとすること。
イ医療法人のうち、次に掲げる要件に該当するもの(以下「特別医療法人」という。)は、その開設する病院、診療所又は老人保健施設の業務に支障のない限り、定款又は寄附行為に定めるところにより、その収益を病院、診療所又は老人保健施設の経営に充てることを目的として、厚生大臣の定める業務を行うことができるものとすること。
(ア)その役員について、その親族が役員の総数の二分の一を超えないことその他公的な運営に関して厚生省令で定める要件に適合するものであること。
(イ)定款又は寄附行為に解散時の残余財産を国、地方公共団体等に帰属させる旨定めていること。
ウ都道府県知事は、イの業務を行う特別医療法人が定款又は寄附行為に定められた業務以外の業務を行った等の場合は、その業務の停止を命ずることができるものとすること。
(2)都道府県知事は、医療法人がその開設したすべての病院、診療所又は老人保健施設を休止又は廃止後一年以内に正当な理由がないのに再開しないときは設立の認可を取り消すことができることとされたこと。

 7 医業等に関する広告

 国民の医療に関する知識の水準の向上と関心の高まり等を背景として、患者が主体的に自分の病状に合った適切な医療機関を選択することが可能となるように、医療機関からの情報提供を進めていく必要がある。このため診療や治療行為といった医療そのものについては、内容の評価が困難であり、客観的であるべき広告にはなじまないが、客観性・正確性を確保し得る事項については、広告事項として幅広く認めることが適当であり、このような観点に立って、医業等に関して広告できる事項として、療養型病床群の有無及び紹介先の病院又は診療所の名称が追加されたこと。

 8 その他

(1)罰則の規定その他所要の規定の整備が行われたこと。
(2)この法律の施行に際し必要な経過措置を定めるとともに、関係法律について所要の規定の整備が行われたこと。


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