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医療法人の分割の手続きについての行政通知をご説明します。医療法人の分割は、医療法人に強いサンベル法律事務所にご相談下さい。

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13 医療法人の行政通知:医療法人の合併と分割(3)

医療法人に強い、歯科医師のための弁護士です。

医療法人の法律問題、トラブルにお悩みの歯科医の方は、サンベル法律事務所にご相談下さい。医療法人に強い弁護士への相談が、解決への近道です。


まず医療法人の行政通知のコラムの一覧をご紹介します。その上で、医療法人の分割(意義、種類、手続き)についての行政通知のご説明を致します。内容は、厚生労働省の公表資料「医療法人の合併及び分割について(平成28年3月25日,医政発0325第5号)」に基づいており、弁護士鈴木が適宜加筆修正等しています。

 医療法人の行政通知のコラム

1  医療法の解釈(1):医療法人の趣旨、成立、管理
2  医療法の解釈(2):医療法人の開設規制、医療計画
3  医療法の解釈(3):医療提供の理念の行政解釈
4  医療法の解釈(4):医療法人の附帯業務、会計処理
5  医療法の解釈(5):医療法の説明義務
6  医療法の解釈(6):医療法人の理事長、管理者の理事就任

7  医療法人の登記、設立
8  理事長の要件(医療法人)
9  医療機関の開設者と非営利性

10 医療法人の国際展開
11 医療法人の合併と分割(1):合併の意義、種類、手続き
12 医療法人の合併と分割(2):合併の手続き
13 医療法人の合併と分割(3):分割の意義、種類、手続き
14 医療法人の合併と分割(4):分割の手続き、医療審議会


 医療法人のその他のコラム

1  医療法人の法務
   ・ 医療法人のコラムの一覧

医療法人の分割(1):分割の意義、種類、手続き

 1 分割の意義

 「分割」とは、法定の手続によって行われる医療法人相互間の契約であり、当事者たる医療法人が事業に関して有する権利義務の一部が他の存続する医療法人又は新設の医療法人に移転する効果を持つものであること。

 2 分割の種類

 吸収分割及び新設分割が認められること。
 なお、吸収分割は、医療法人がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を分割後他の医療法人に承継させるものをいい、新設分割は、1又は2以上の医療法人がする分割であって、その事業に関して有する権利義務の全部又は一部を分割に伴い新設する医療法人に承継させるものをいうこと。

 3 分割の手続

 吸収分割の手続については法第 60 条から第 60 条の7まで及び第 67 条の手続の規定を、新設分割の手続については、法第 61 条から第 61 条の6まで及び第 67 条の手続の規定を遵守すること。
 また、社会医療法人、特定医療法人、持分の定めのある医療法人及び法第 42 条の3第1項の規定による実施計画の認定を受けた医療法人は、分割をすることができないため留意されたいこと。

1 分割決議及び認可(法第 60 条、第 60 条の2、第 61 条及び第 61 の2、並びに規則第 35 条の6、第 35 条の7、第 35 条の8及び第 35 条の 10 関係)
(1)医療法人が吸収分割をする場合には、吸収分割医療法人及び吸収分割承継医療法人との間で、吸収分割契約を締結しなければならないこと。
(2)吸収分割契約においては、以下の事項を定めなければならないこと。
①吸収分割医療法人及び吸収分割承継医療法人の名称及び主たる事務所の所在地
②吸収分割承継医療法人が吸収分割により吸収分割医療法人から承継する資産、債務、雇用契約その他の権利義務に関する事項
③吸収分割医療法人及び吸収分割承継医療法人の吸収分割後2年間の事業計画又はその要旨
④吸収分割がその効力を生ずる日
(3)医療法人が新設分割をする場合には、新設分割計画を作成しなければならないこと。また、2以上の医療法人が共同して新設分割をする場合には、当該2以上の医療法人は、共同して新設分割計画を作成しなければならないこと。
(4)新設分割計画においては、以下の事項を定めなければならないこと。
①新設分割設立医療法人の目的、名称及び主たる事務所の所在地
②新設分割設立医療法人の定款又は寄附行為で定める事項
③新設分割設立医療法人が新設分割医療法人から承継する資産、債務、雇用契約その他の権利義務に関する事項
④新設分割医療法人及び新設分割設立医療法人の新設分割後2年間の事業計画又はその要旨
⑤新設分割がその効力を生ずる日
(5)社団たる医療法人にあっては、吸収分割契約又は新設分割計画について、当該医療法人の総社員の同意を得なければならないこと。財団たる医療法人にあっては、寄附行為に吸収分割又は新設分割をすることができる旨の定めがある場合に限り、吸収分割又は新設分割をすることができ、吸収分割契約又は新設分割計画について、理事の3分の2以上の同意を得なければならないこと。ただし、寄附行為に別段の定めがある場合は、この限りでないこと。
(6)吸収分割又は新設分割は、吸収分割承継医療法人又は新設分割設立医療法人の主たる事務所の所在地の都道府県知事の認可を受けなければ、その効力を生じないこと。また、都道府県知事は、当該認可をし、又は認可をしない処分をするにあたっては、あらかじめ、都道府県医療審議会の意見を聴かなければならないこと。

2 分割の認可の申請(規則第 35 条の8及び第 35 条の 11 関係)
(1)吸収分割の認可を受けようとする医療法人は、申請書に次の書類を添付して、都道府県知事に提出しなければならないこと。
①理由書
②1(5)の手続を経たことを証する書類
③吸収分割契約書の写し
④吸収分割後の吸収分割医療法人及び吸収分割承継医療法人の定款又は寄附行為
⑤吸収分割前の吸収分割医療法人及び吸収分割承継医療法人の定款又は寄附行為
⑥吸収分割前の吸収分割医療法人及び吸収分割承継医療法人のその時点での財産目録及び貸借対照表
⑦吸収分割医療法人及び吸収分割承継医療法人の吸収分割後2年間の事業計画及びこれに伴う予算書
⑧吸収分割医療法人及び吸収分割承継医療法人の新たに就任する役員の就任承諾書及び履歴書
⑨吸収分割医療法人及び吸収分割承継医療法人が開設しようとする病院、診療所又は介護老人保健施設の管理者となるべき者の氏名を記載した書面
(2)新設分割の認可を受けようとする医療法人は、申請書に次の書類を添付して、都道府県知事に提出しなければならないこと。
①理由書
②1(5)の手続を経たことを証する書類
③新設分割計画の写し
④新設分割後の新設分割医療法人及び新設分割設立医療法人の定款又は寄附行為
⑤新設分割前の新設分割医療法人の定款又は寄附行為
⑥新設分割前の新設分割医療法人のその時点での財産目録及び貸借対照表
⑦新設分割医療法人及び新設分割設立医療法人の新設合併後2年間の事業計画及びこれに伴う予算書
⑧新設分割医療法人及び新設分割設立医療法人の新たに就任する役員の就任承諾書及び履歴書
⑨新設分割医療法人及び新設分割設立医療法人が開設しようとする病院、診療所又は介護老人保健施設の管理者となるべき者の氏名を記載した書面
(3)社会医療法人、特定医療法人、持分の定めのある医療法人については、吸収分割医療法人及び新設分割医療法人にはなれないが、吸収分割承継医療法人にはなることができること。

3 債権者の保護(法第 60 条の4、第 60 条の5及び第 61 条の3関係)
(1)医療法人は、都道府県知事の吸収分割又は新設分割の認可があったときは、その認可の通知のあった日から2週間以内に、分割がその債権者に重大な利害関係があることに鑑み、債権者保護のために財産目録及び貸借対照表を作成しなければならないこと。また、当該財産目録及び貸借対照表については、吸収分割又は新設分割に係る登記がされるまでの間、主たる事務所に備え置き、債権者から請求があった場合には、これを閲覧に供しなければならないこと。当該義務違反に対しては、罰則規定(20 万円以下の過料。法第 76 条第9号)があること。閲覧については、書面又は電磁的記録の当該ファイル若しくは磁気ディスクに記録されている事項を紙面又は当該事務所に設置された入出力装置の映像面に表示する方法により行うこと。
(2)医療法人は、吸収分割又は新設分割の認可の通知のあった日から2週間以内に、その債権者に対し、異議があれば一定の期間内に述べるべき旨を公告し、かつ、判明している債権者に対しては、各別にこれを催告しなければならないこと。ただし、「一定の期間」については、2月以上とすること。当該義務違反に対しては、罰則規定(20 万円以下の過料。法第 76 条第 10 号)があること。
(3)債権者が(2)の期間内に吸収分割又は新設分割に対して異議を述べなかったときは、吸収分割又は新設分割を承認したものとみなすこと。
(4)債権者が異議を述べたときは、医療法人は、これに弁済をし、若しくは相当の担保を提供し、又はその債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社若しくは信託業務を営む金融機関に相当の財産を信託しなければならないこと。ただし、吸収分割又は新設分割をしてもその債権者を害するおそれがないときは、この限りでないこと。当該義務違反に対しては、罰則規定(20 万円以下の過料。法第 76 条第 10 号)があること。


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