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まず医療法人の行政通知のコラムの一覧をご紹介します。その上で、医療法の解釈(病院の開設の規制、医療計画、医療法人、審議会)についての行政通知のご説明を致します。内容は、厚生労働省の公表資料「医療法の一部改正について(昭和60年12月27日,発健政第112号)」に基づいており、弁護士鈴木が適宜加筆修正等しています。
医療法人の行政通知のコラム
1 医療法の解釈(1):医療法人の趣旨、成立、管理
2 医療法の解釈(2):医療法人の開設規制、医療計画
3 医療法の解釈(3):医療提供の理念の行政解釈
4 医療法の解釈(4):医療法人の附帯業務、会計処理
5 医療法の解釈(5):医療法の説明義務
6 医療法の解釈(6):医療法人の理事長、管理者の理事就任
7 医療法人の登記、設立
8 理事長の要件(医療法人)
9 医療機関の開設者と非営利性
10 医療法人の国際展開
11 医療法人の合併と分割(1):合併の意義、種類、手続き
12 医療法人の合併と分割(2):合併の手続き
13 医療法人の合併と分割(3):分割の意義、種類、手続き
14 医療法人の合併と分割(4):分割の手続き、医療審議会
医療法人のその他のコラム
1 医療法人の法務
・ 医療法人のコラムの一覧
医療法の解釈(2):開設規制、医療計画、医療法人、審議会
医療法の一部改正について
(昭和 60年 12 月 27日)
(発健政第 112 号)
(各都道府県知事あて厚生事務次官通知)
医療法の一部を改正する法律は、別添のとおり昭和 60 年 12 月 27 日法律第 109 号をもつて公布されたところであるが、本改正の趣旨及び要点は左記のとおりであるので、了知されるとともに管下市町村、関係団体等にその周知徹底をお願いする。
1 改正の趣旨
今回の改正は、高齢化社会の到来に伴う医療需要の増大、多様化や医学医術の進歩などに対応して、国民に適正な医療をあまねく確保する観点から、病院、診療所の在り方を含めた医療制度に係る根本的な見通しの第一歩として、地域の体系だつた医療供給体制の整備を促進するため、医療資源の地域的偏在の解消、医療施設相互の機能連係の確保等を目的とする都道府県における医療計画の策定、推進等について定めることを中心
とし、併せて、医療法人に対する指導監督規定の整備等を行うものであること。
2 改正の目的
法律の目的について、病院、診療所及び助産所の開設及び管理に関し必要な事項並びにこれらの施設の整備を推進するために必要な事項を定めること等により、医療を提供する体制の確保を図り、もつて国民の健康の保持に寄与することと規定されたこと。
3 公的性格を有する病院の開設等の規制
都道府県における医療を提供する体制の確保に関する計画(以下「医療計画」という。)が策定された後における公的性格を有する病院の開設等の規制は、当該医療計画において定める基準によつて行われるものとされたこと。
4 医療計画
新たに、医療計画に関する章が設けられ、次のように規定されたこと。
1 都道府県が、医療計画を定めるものとすること。
2 医療計画においては、その対象となる区域の設定及び必要病床数に関する事項を定めるほか、次に掲げる事項を定めることができるものとすること。
ア病院の機能を考慮した整備の目標に関する事項
イへき地の医療及び救急医療の確保に関する事項
ウ医療に関する施設の相互の機能及び業務の連係に関する事項
エ医療従事者の確保に関する事項
オその他医療を提供する体制の確保に関し必要な事項
3 医療計画の対象となる区域の設定及び必要病床数に関する標準は、医療審議会の意見を聴いて、厚生省令で定めるものとすること。
4 都道府県は、医療計画を作成するに当たつては、医療と密接な関連を有する施策との連係を図るように努めるとともに、当該都道府県の境界周辺の地域における医療の需給の実情に照らし必要があると認めるときは、関係都道府県と連絡調整を行うものとすること。
5 都道府県は、少なくとも五年ごとに医療計画に再検討を加え、必要があると認めるときは、これを変更するものとすること。
6 都道府県は、医療に関する専門的科学的知見に基づいて医療計画の案を作成するため、診療又は調剤に関する学識経験者の団体の意見を聴かなければならないものとすること。
7 都道府県は、医療計画を定め、又は変更しようとするときは、あらかじめ、都道府県医療審議会及び市町村の意見を聴かなければならないものとすること。
8 厚生大臣は、医療計画の作成上重要な技術的事項について、医療審議会の意見を聴いて、都道府県に対し、必要な助言をすることができるものとすること。
9 国及び地方公共団体は、医療計画の達成を推進するため、必要な措置を講ずるように努めるものとするとともに、国は、都道府県の区域を超えた広域的な見地から必要とされる医療を提供する体制の整備に努めるものとすること。
10 病院の開設者及び管理者は、医療計画の達成の推進に資するため、当該病院の医療業務に差し支えない限り、その建物等を当該病院に勤務しない医師、歯科医師又は薬剤師の診療等のために利用させるように努めるものとすること。
11 都道府県知事は、医療計画の達成の推進のため特に必要がある場合には、病院を開設しようとする者又は病院の開設者若しくは管理者に対し、都道府県医療審議会の意見を聴いて、病院の開設又は病院の病床数の増加若しくは病床の種別の変更に関して勧告することができるものとすること。
5 医療法人
医療法人に係る規定について次のように整備がなされたこと。
1 医師又は歯科医師が常時一人又は二人勤務する診療所について、医療法人の設立を認めるものとすること。
2 医療法人の資産要件を明確化することとし、資産要件に関し必要な事項は、その開設する医療機関の規模等に応じ、厚生省令で定めるものとすること。
3 医療法人には、役員として、理事三人以上及び監事一人以上を置かなければならないものとすること。ただし、理事については、都道府県知事の認可を受けた場合は、三人未満の理事で足りるものとすること。
4 役員の欠格事由について定めること。
5 理事のうち一人は、理事長とし、医師又は歯科医師である理事のうちから選出するものとすること。ただし、都道府県知事の認可を受けた場合は、この限りでないものとすること。
6 医療法人は、その開設するすべての病院又は診療所の管理者を理事に加えなければならないものとすること。ただし、都道府県知事の認可を受けた場合は、この限りでないものとすること。
7 医療法人の会計年度について、定款又は寄附行為で別段の定めをすることができるものとすること。
8 都道府県知事は、医療法人の業務若しくは会計が法令、法令に基づく都道府県知事の処分、定款若しくは寄附行為に違反している疑いがあり、又はその運営が著しく適正を欠く疑いがあると認めるときは、当該吏員に、医療法人の事務所に立ち入り、業務又は会計の状況を検査させることができるものとすること。
9 都道府県知事は、医療法人の業務若しくは会計が法令、法令に基づく都道府県知事の処分、定款若しくは寄附行為に違反し、又はその運営が著しく適正を欠くと認めるときは、当該医療法人に対し、期限を定めて、必要な措置をとるべき旨を命ずることができるものとし、当該医療法人がその命令に従わないときは、あらかじめ、都道府県医療審議会の意見を聴いて、期限を定めて業務の全部若しくは一部の停止を命じ、又は役員の解任を勧告することができるものとすること。
10 都道府県知事は、医療法人が法令の規定等に違反した場合において、当該医療法人の設立の認可を取り消すに当たつては、あらかじめ、都道府県医療審議会の意見を聴かなければならないものとすること。
11 医療法人のうち、二以上の都道府県において病院又は診療所を開設するものの設立等に当たつては、厚生大臣の認可を受けなければならないこと等とすること。
6 審議会
医療計画に関する規定が設けられたこと及び医療法人に係る規定の整備がなされたことに伴い、医療審議会の所掌事務が、厚生大臣の諮問に応じ、医療を提供する体制の確保に関する重要事項を調査審議することとされるとともに、都道府県における医療を提供する体制の確保に関する重要事項を調査審議するため、都道府県医療審議会を置くものとされたこと。
7 その他
次のとおり所要の措置が講じられたこと。
1 罰則の規定その他所要の規定の整備を行うこと。
2 政府は、次のとおり、医療制度に係る検討等を進めること。
ア政府は、今後の人口動向、医学医術の進歩の推移等を勘案し、病院及び診療所の在り方を含め、医療を提供する体制に関し、速やかに検討を加え、その結果に基づいて法制の整備その他の必要な措置を講ずるものとすること。
イ政府は、今後の医療の需要に対応した医師、歯科医師及び薬剤師の養成の在り方に関し、速やかに検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすること。
ウ 政府は、地域における適正な医療を確保するために医療機関が果たしている社会的役割の重要性にかんがみ、医療機関の経営基盤の安定及び業務の円滑な継続を図るための必要な措置を講ずるものとすること。
3 現に存する医療法人の役員に関する事項等この法律の施行に伴う所要の経過規定を設けること。
4 関係法律の規定の整理を行うこと。
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