抜歯、歯根端切除手術、麻酔の個別指導での指摘事項です。個別指導、監査に臨む歯科医の方は、歯科の指導監査に強い弁護士にご相談下さい。

歯科の個別指導の書籍を出版し、歯科の指導監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。

個別指導、監査には、弁護士を同席させるべきです。

ここでは、東北厚生局が平成２７年度の個別指導で改善を求めた指摘事項（抜歯手術、歯根端切除手術、口腔内消炎手術、麻酔）をご説明します。

指摘事項は、東北厚生局の公表資料「平成２７年度に実施した個別指導において保険医療機関（歯科）に改善を求めた主な指摘事項（東北厚生局，平成２９年２月）」に基づいています。

個別指導での抜歯、歯根端切除手術、麻酔に悩む歯科医の方は、以下のコラムもご覧いただければ幸いです。

【コラム】歯科の個別指導と監査の上手な対応法

11　手術

　１　抜歯手術

①難抜歯について、次の事例が認められたので改めること。
ア　歯根肥大に対する骨の開さく又は歯根分離術等を実施したことを診療録に記載していない例
イ　画像所見、臨床所見等から骨の開さく又は歯根分離術等を必要としないにもかかわらず難抜歯として算定している例
ウ　下顎水平埋伏智歯に対する計画的な歯冠分割術を、抜歯中止として難抜歯の所定点数で算定している例

②埋伏歯について、次の事例が認められたので改めること。
ア　埋伏歯及び下顎水平埋伏智歯加算について、画像診断及び臨床所見より歯冠が３分の２以上の骨性埋伏である水平埋伏智歯でない場合に算定している例

③難抜歯と埋伏歯との区別を明確にして算定すること。

　２　歯根端切除手術

①保険適用外の前歯の再植による根尖病巣の治療を歯根端切除手術として算定している例が認められたので改めること。

　３　歯槽骨整形手術、骨瘤除去手術

①画像診断所見及び診療録の記載等から判断して、必要性が乏しい歯槽骨整形手術を算定している例が認められたので改めること。

②骨瘤除去手術に係る診断及び臨床所見（必要性の根拠）の診療録への記載が乏しい例が認められたので改めること。

　４　口腔内消炎手術

①智歯周囲炎の歯肉弁切除等について、算定要件を満たさない例が認められたので改めること。

　５　歯周外科手術

①歯周外科手術について、次の事例が認められたので改めること。
ア　歯肉剥離掻爬手術について、検査結果及び診療録の記載等から判断して、必要性が認められない例

②歯科医学的に的確に診断したうえで必要性を十分に考慮して実施すること。

　６　その他

①抜歯やヘミセクション等の観血処置等における患者への説明、同意に関して診療録への記載が乏しい例が認められたので改めること。

②保険適用外の歯科矯正のための智歯抜歯を保険診療として算定している例が認められたので改めること。

③画像所見、処置内容から判断して、感染根管処置の所定点数に含まれ、別に算定できないにもかかわらず、歯の破折片除去を口腔内軟組織異物除去術として算定している例が認められたので改めること。

　１　伝達麻酔

①臨床所見及び診療録の記載内容等から判断して必要性が乏しい伝達麻酔が認められたので改めること。

　２　浸潤麻酔

①診療録に実施内容、薬剤名等を記載すること。

②必要性を十分に考慮して実施すること。

　３　吸入鎮静法

①患者の監視、薬剤の管理等に十分留意すること。

　４　静脈内鎮静法

①術前、術中及び術後の管理記録の診療録への記載が乏しい例が認められたので、記載の充実を図ること。

　５　その他

①診療録に使用した薬剤の記載がない例が認められたので記載すること。
例：歯科用キシロカインカートリッジ

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