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医療法人の運営(定款、役員、理事、監事)の留意点についてご説明します。医療法人運営に関するお悩みは、医療法人に強いサンベル法律事務所にご相談下さい。

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7 医療法人の運営の留意点(1):定款・寄附行為、役員

医療法人に強い、歯科医師のための弁護士です。

医療法人の運営に関してお悩みの歯科医の方は、サンベル法律事務所にご相談下さい。医療法人に強い弁護士への相談が、解決への近道です。


まず医療法人のコラムの一覧をご紹介します。その上で、医療法人の運営・管理(組織運営、定款、寄附行為、役員)についてご説明を致します。内容は、厚生労働省の公表資料「医療法人運営管理指導要綱」に基づいており、弁護士鈴木が適宜加筆修正等しています。

 医療法人のコラム

1  医療法人のコラムの一覧、歯科医院の医療法人化
2  医療法人とは(1):本来業務、附帯業務
3  医療法人とは(2):附帯業務、収益業務、付随業務
4  医療法人の定款の書式(1):名称及び事務所、目的及び事業
5  医療法人の定款の書式(2):社員総会、役員

6  医療法人の定款の書式(3):理事会、解散、合併及び分割
7  医療法人の運営の留意点(1):定款・寄附行為、役員
8  医療法人の運営の留意点(2):社員、社員総会、理事会
9  医療法人の運営の留意点(3):業務一般、人事管理、資産管理
10 医療法人の運営の留意点(4):会計管理、登記、公告


医療法人運営管理指導要綱:Ⅰ 組織運営

 1 定款・寄附行為

1 モデル定款・寄附行為に準拠していること。
【留意事項】
 平成19年3月30日医政発第0330049号医政局長通知

2 定款又は寄附行為の変更が所要の手続きを経て行われていること。
【留意事項】
 医療法第54条の9(注)定款又は寄附行為の変更に関し、届出で良いとされる事項について、届出をしない場合又は虚偽の届出をした場合は、20万円以下の過料に処せられること。(医療法第76条第5号)


 2 役員

1 定数・現員
1 役員名簿の記載及び整理が適正に行われていること。
【留意事項】
 役員名簿の記載事項は次のとおり
 ①役職名
 ②氏名
 ③生年月日(年齢)
 ④性別
 ⑤住所
 ⑥職業
 ⑦現就任年月日・任期

2 役員に変更があった場合は、その都度、都道府県知事に届出がなされていること。
【留意事項】
 医療法施行令第5条の13
 添付書類
 ①就任承諾書
 ②履歴書
 適正に選任されていることを確認することを要する。

3 役員として理事3人以上、監事1人以上を置いていること。また、3人未満の理事を置く場合は都道府県知事の認可を得ていること。
【留意事項】
 医療法第46条の5第1項
 理事3人未満の都道府県知事の認可は、医師、歯科医師が常時1人又は2人勤務する診療所を一か所のみ開設する医療法人に限る。その場合であっても、可能な限り、理事2人を置くことが望ましい。

4 役員の定数は、事業規模等の実態に即したものであること。
5 役員の欠員が生じていないこと。
【留意事項】
 医療法第46条の5の3第3項においては、理事又は監事のうち、その定数の5分の1を超える者が欠けた場合は、1月以内に補充しなければならないとされているが、1名でも欠員が生じた場合には、速やかに補充することが望ましいこと。

6 社会医療法人の場合は、親族等の占める割合が役員総数の3分の1を超えていないこと。
【留意事項】
 医療法第42条の2第1項第1号
 医療法施行規則第30条の35

2 選任・任期
1 役員の選任手続きが、社員総会又は評議員会で適正に決議されていること。
【留意事項】
 医療法第46条の5第2項及び第3項

2 選任関係書類が整備されていること。
【留意事項】
 選任関係書類は、次のとおりである。
 ①社員総会議事録又は評議員会議事録
 ②就任承諾書
 ③履歴書

3 役員の任期は2年以内とすること。なお、補欠の役員の任期は、前任者の残任期間であること。
【留意事項】
 医療法第46条の5第9項

4 任期の切れている役員がいないこと。
3 適格性
1 自然人であること。
2 欠格事由に該当していないこと。(選任時だけでなく、在任期間中においても同様である。)
【留意事項】
 医療法第46条の5第5項
 欠格事由
 ①成年被後見人又は被保佐人
 ②医療法、医師法等、医療法施行令第5条の5の7に定める医事に関する法令の規定により罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して2年を経過しない者
 ③②に該当する者を除くほか、禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は、執行を受けることがなくなるまでの者
 医療法人と関係のある特定の営利法人の役員が理事長に就任したり、役員として参画していることは、非営利性という観点から適当でないこと。

4 代表者(理事長)
1 当該法人の代表権は、理事長にのみ与えられていること。
【留意事項】
 医療法第46条の6の2第1項
 定款・寄附行為に明確に規定されていること。

2 理事長の職務履行ができない場合の規定が定款又は寄附行為に定められていること。
3 理事長は医師又は歯科医師の理事の中から選出されていること。
【留意事項】
 医療法第46条の6第1項

4 医師又は歯科医師でない理事のうちから理事長を選出する場合は都道府県知事の認可を得ていること。
【留意事項】
 医療法第46条の6第1項ただし書
 医師、歯科医師でない理事のうちから選任することができる場合は以下のとおりである。
 ①理事長が死亡し、又は重度の傷病により理事長の職務を継続することが不可能となった際に、その子女が医科又は歯科大学(医学部又は歯学部)在学中か、又は卒業後、臨床研修その他の研修を終えるまでの間、医師又は歯科医師でない配偶者等が理事長に就任しようとする場合
 ②次に掲げるいずれかに該当する医療法人
 イ特定医療法人又は社会医療法人
 ロ地域医療支援病院を経営している医療法人
 ハ 公益財団法人日本医療機能評価機構が行う病院機能評価による認定を受けた医療機関を経営している医療法人
 ③候補者の経歴、理事会構成等を総合的に勘案し、適正かつ安定的な法人運営を損なうおそれがないと都道府県知事が認めた医療法人

5 理事長は、各理事の意見を十分に尊重し、理事会の決定に従って法人運営及び事業経営を行っていること。
6 理事長は、3箇月に1回以上、自己の職務の執行の状況を理事会に報告しなければならないこと。ただし、定款又は寄附行為で毎事業年度に4箇月を超える間隔で2回以上その報告をしなければならない旨を定めた場合は、この限りでないこと。
【留意事項】
 医療法第46条の7の2第1項により読み替える一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第91条第2項

5 理事
1 当該法人が開設する病院等(指定管理者として管理する病院等を含む。)の管理者はすべて理事に加えられていること。
【留意事項】
 医療法第46条の5第6項

2 管理者を理事に加えない場合は都道府県知事の認可を得ていること。
【留意事項】
 医療法第46条の5第6項ただし書
 管理者を理事に加えないことができる場合は、当該法人が開設する病院等の立地及び機能等を総合的に勘案し、管理者の意向を法人の運営に反映させるという医療法第46条の5第6項の規定の趣旨を踏まえた法人運営が行われると認められる場合である(例えば、病院等が隣接し業務に緊密な連携がある場合や病院等が法人の主たる事務所から遠隔地にある場合などが考えられるが、これらに限定されるものではないこと。)。なお、恣意的な理由ではなく、社員総会等の議決など正当な手続きを経ていること等を確認すること。
 また、同項ただし書の規定に基づく認可について、医療法人の定款又は寄附行為において、理事に加えないことができる管理者が管理する病院等を明らかにしているときは、当該病院等の管理者が交替した場合でも当該認可は継続できるものとする。

3 実際に法人運営に参画できない者が名目的に選任されていることは適当でないこと。
4 理事は、当該法人に著しい損害を及ぼすおそれのある事実があることを発見したときは、直ちに、その事実を監事に報告しなければならないこと。
【留意事項】
 医療法第46条の6の3

5 理事は、医療法人との利益が相反する取引を行う場合には、理事会において、当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けなければならないこと。また、当該取引後、遅滞なく理事会に報告しなければならないこと。
【留意事項】
 医療法第46条6の4により読み替える一般社団法人及び一般財団法人に関する法第84条

6 監事
1 理事、評議員及び法人の職員を兼任していないこと。また、他の役員と親族等の特殊の関係がある者ではないこと。
【留意事項】
 医療法第46条の5第8項

2 当該法人の業務及び財産の状況特に事業報告書、財産目録、貸借対照表及び損益計算書について十分な監査が行われていること。
【留意事項】
 医療法第46条の8第1号及び第2号

3 監査報告書が作成され、会計年度終了後3月以内に社員総会又は評議員会及び理事会に提出されていること。
【留意事項】
 医療法第46条の8第3号

4 法人の適正な会計管理等を行う観点からも内部監査機構の確立を図ることが重要である。また、病院又は介護老人保健施設等を開設する医療法人の監査については外部監査が行われることが望ましい。
【留意事項】
 特に負債100億円以上の医療法人については、公認会計士又は監査法人による監査あるいは指導を受けることが望ましいこと。

5 監事の職務の重要性に鑑み、実際に法人監査業務を実施できない者が名目的に選任されることなく、財務諸表を監査しうる者が選任されていること。
6 監事は理事会に出席する義務があり、必要があると認めるときは意見を述べなければならないこと。
【留意事項】
 医療法第46条の8の2第1項



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