歯科医院の相続に強い、歯科医師のための弁護士です。
医院の相続、医院継承にお悩みの歯科医師の方は、迷わずご相談下さい。
弁護士鈴木が力を入れている歯科医院法務に関するコラムです。
ここでは、歯科医院の相続、歯科相続トラブルについてお話をします。
突然の歯科医院相続
歯科医院を経営する歯科医師の高齢化が進んでいます。歯科医院を子どもや勤務医、あるいは第三者に継承する前に、院長が病気などで突然亡くなってしまうケースが、稀ではありません。
歯科医院の院長が亡くなった場合、相続が生じ、院長の相続人などが、その院長の遺産を遺産分割などにより承継することになります。どのように院長の遺産を分割し相続人などが承継するかは、遺言書がなければ、通常は、相続人などでの話し合いで決まります。ただ、歯科医院の事業をどうするかに関して、揉めてしまうことも多いようです。
1 院長の子どもが歯科医師で歯科医院を継承する場合
お亡くなりになった院長の子どもが歯科医師で、かつその歯科医院に勤務している場合は、その歯科医師である子どもが引継ぐ形で遺産分割を行うことが期待できます。
ただ、この場合でも、歯科事業の財産的価値をいくらと評価して遺産分割を行うかなど、難しい問題があります。歯科事業の財産的価値の見積もりに当たっては、税理士や公認会計士などの専門家の意見を参考にすることが考えられます。歯科医院が亡院長の所有不動産であり、かつそれが遺産の大部分を占める場合は、不動産の共有状態はトラブルになりがちで避けるべきですので、歯科医院の土地建物を歯科事業を引継ぐ子どもに単独で相続させたうえで、代償分割の方法などを検討せざるを得ないでしょう。代償分割とは、遺産を多く取得した相続人が十分な遺産を取得しなかった相続人に対し現金などを支払い調整するという分割方法です。スタッフや患者、行政手続きなどの速やかな対応が必要であるため、相続人など関係者で話し合い、直ちに歯科事業の継承者を決定することが重要です。
2 親族に歯科医院の引継ぎ手がいない場合
亡院長の親族に歯科医師がおらず、いても引継ぎが期待できない場合は、その歯科医院に勤務している歯科医師や第三者の歯科医師などへの引継ぎを検討することになります。しかし、引継ぎが可能な勤務医がいればよいですが、そうでない場合は、現実的には、第三者への承継は困難であり、廃院せざるを得ないでしょう。場合によっては、居抜きの歯科医院譲渡などの方法を模索することになります。
第三者への引継ぎを断念し、廃院する場合、スタッフや患者への対応を行うことが必要ですが、歯科医院経営に携わっていた親族がいない場合、院長がお亡くなりになったという状況の中で、適切な対応は難しいかもしれません。亡院長がお世話になっていたスタッフや患者にできるだけ迷惑をかけないよう、相続に強い弁護士などの専門家のアドバイスを受けつつ対応することも、検討すべきと思います。
相続トラブルを避けるための生前の医院継承の勧め
歯科相続トラブル
歯科医院の相続に限らず、相続は、しばしば親族間のトラブルに発展します。遺産の金額が大きくなくともトラブルが生じますし、仲の良い(と周囲から思われていた)親族間でも生じます。揉めはじめると、まずは話し合いが繰り返されますが、それでもまとまらない場合、調停、審判、裁判と、解決まで長期間を要することになります。解決まで5年を超えるケースも稀ではありませんし、解決できずに、現状がただひたすら継続する場合もあります。解決できない場合は、不動産などの財産の処分が困難となり、また、財産管理が滞り、不動産の廃墟化など、派生したトラブルが生じるようになります。
歯科医院の相続の場合は、患者やスタッフなどとの関係をはじめ、歯科事業に関わる契約関係等の全体を引継ぐため、通常の相続に比し、相続トラブルのリスクは飛躍的に上昇します。子どもが歯科医師でその歯科医院に勤務していた場合でも、全く安心できません。他の親族などから強い権利主張がなされ、歯科医院の引継ぎが頓挫してしまうことがありますし、その子どもの歯科医師が実力不足や若すぎる場合は、引継いだものの、歯科医院がすぐに倒産してしまうこともあります。また、歯科医師の子どもが複数いる場合は、取り合いになったり、あるいは押し付け合いになったりすることがあります。
歯科医院の相続トラブルを避ける一番の方法は、もしものときに備え、関係者との意識合わせや遺言書の作成などの準備を院長があらかじめ行っておくことです。また、ある程度の年齢になった場合は、歯科医院の継承を実行し、引継ぎを元気なうちに行ってしまうことが重要です。自分はまだ大丈夫、と考えてしまいがちですが、早めの準備をお勧めします。
歯科医院の相続、医院継承にお悩みの歯科医師の方は、お電話を下さい。歯科医院を取り巻く状況を聴取した上で、具体的にアドバイス致します。
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