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歯科医の行政処分、医道審議会(歯科)の弁護士のコラムです。行政処分に臨む歯科医の方は、歯科の医道審議会に強い弁護士にご相談下さい。

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1 医道審議会での歯科医師への行政処分、処分者

歯科の医道審議会の書籍を出版し、歯科医の行政処分に強い、弁護士の鈴木陽介です。

サンベル法律事務所は、全国からご依頼を頂き、医道審議会の対応業務を行っています。

医道審議会(歯科)の対応は、弁護士に依頼すべきです。まずはご相談下さい。


ここでは、歯科の医道審議会での免許取り消し、歯科医業停止などの行政処分、処分者についてご説明します。

歯科医への行政処分、医道審議会(歯科)の対応のポイント


 1 歯科の行政処分の流れ

歯科医師に対する行政処分は、厚生労働省に設置されている医道審議会の医道分科会で審議されます。

厚生労働省は、歯科医を処分をするか医道審議会で審議すべき事案を把握すると、当該審議のために、都道府県知事に対して、事実関係の報告を求める通知を行います。

通知を受けた都道府県は、歯科医師に対し、事案の報告を求める書面を発送します。歯科医師は、当該書面を確認し、自らが医道審議会での行政処分の審議対象であることを知り、都道府県に行政処分対象事案報告書の提出をすべきことになります。

歯科医師が行政処分対象事案報告書を都道府県に提出すると、医道審議会(歯科)で審議がなされ、その後、歯科医師が免許取消相当と判断された場合は意見の聴取が、歯科医業停止命令相当と判断された場合は弁明の聴取がなされます。聴取の際には、弁護士が同席し歯科医をサポートすることが可能です。当該聴取を踏まえて、医道審議会が最終的な行政処分の答申を行い、歯科医へ行政処分がなされる流れとなります。

医道審議会での審議に基づく処分の結果については、医道審議会で答申がなされ処分がなされた日の夕方から夜に、都道府県の担当者から電話で連絡があることが通例です。弁護士が依頼を受けている場合には、歯科医師ではなく弁護士に電話で行政処分の結果の連絡があります。

歯科医業停止などの行政処分がなされた場合には、再教育研修の受講が求められます。再教育研修の内容は、行政処分の内容により、団体研修、課題学習、個別研修があり、詳細は、厚生労働省医政局から都道府県を介して歯科医師に書面で通知があります。再教育研修の受講は義務であり、研修を受けないと、歯科医業停止期間の経過後も、診療所の開設に許可を要する、診療所の管理者になれない、などの不利益があります。

 2 医道審議会で歯科医が行政処分を回避するポイント

1 行政処分対象事案報告書は必ず弁護士と作成する

歯科医は、歯科医業の専門家ですが、行政手続きにおける弁明書の作成の専門家ではありません。行政処分対象事案報告書は、記載内容によって行政処分の重さが変わり得る、非常に重要な書面ですので、必ず専門家である弁護士に相談し、十分に内容を練ってから提出することをお勧めします。

事実をありのままに記載すればよい、覚悟はしている、処分は医道審議会の判断に委ねる、と考えられる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、真実に則った、適正な処分のために、主張すべきは主張し、認めるべきではないことは争い認めない対応をすべきです。

歯科医の方のみで対応した場合は、行政処分対象事案報告書について、自らに有利な事実をほとんど記載しない、逆に、不利益な事実があるにもかかわらず積極的に争わない、あっさりしたものを作成しがちである印象です。しかし、行政処分の量定に大きく影響する書面であり、この時点で、有利な事情をきちんと主張しきるとともに、有利な証拠も整理して提出してしまうことが肝心です。

医道審議会が処分を判断する勘所があり、経験のある専門家の知恵を借りるべきです。歯科の医道審議会の行政処分に詳しい弁護士にサポートを依頼し、記載内容や方針などを十分に打合せて対応することをお勧めします。

2 意見の聴取や弁明の聴取には弁護士を同席させる

歯科医師に対する医道審議会の行政処分は、歯科医に重大な不利益を与えるもので、可能な限り歯科医に有利な処分とさせるために、歯科の医道審議会の行政処分に詳しい弁護士に依頼し、意見の聴取や弁明の聴取の手続きに同席させ、サポートしてもらうべきです。

方針については、依頼した弁護士と協議して決定することになりますが、行政側の同調圧力に屈することなく、主張すべきは主張し、認めるべきではないことは争い認めない対応をすべきです。

被害者がいる事案の場合は、被害者との示談や被害者へのその後の対応が歯科医への行政処分の内容に大きな影響を及ぼしますので、依頼した弁護士と適切な対応を協議して下さい。医療過誤のケースなどでは、原因を分析し再発防止に取り組んでいることを示す資料(研修等の受講を含みます)の提出も重要です。また、既に社会的制裁を受けていることを示す資料や学校医など地域社会への貢献実績を示す資料の提出も検討すべきです。

聴取の手続きに先駆けて、弁護士と問答のリハーサルを行うことも有用です。オーソドックスな質問がなされますので、想定される質問に対して、有利な事実をきちんとコンパクトに説明できるように準備する必要があります。また、聴取手続きが終了したら、係る調書・報告書の閲覧を行い、必要に応じ証拠等を補充・追加提出することも検討すべきです。

医道審議会での審理を経て、免許取り消しや歯科医業停止の行政処分がなされた場合に、それを事後的に裁判で覆すことは困難です。裁判所は、医道審議会での歯科医への行政処分の判断を尊重する傾向があるためです。したがって、行政処分がなされる前に、行政処分対象事案報告書や聴取手続きの段階で、歯科医に有利な事情を適切に主張し、最大限の証拠を提出することが重要です。

なお、歯科医業停止の行政処分が予想される場合は、行政処分がなされてからの診療所の運営について、事前に準備しておく必要があります。歯科医の確保、診療所の管理者の変更の問題などがあり、経験のある弁護士に相談し、対応を早めに決めておくことをお勧めします。

歯科の行政処分の統計と指針


 1 医道審議会の歯科医師の処分者の統計

歯科医への行政処分は、厚生労働省に設置されている医道審議会の医道分科会で審議され、その答申を受けて厚生労働大臣が決定します。医道審議会(医道分科会)での答申は、原則、3月ころと9月ころの、年2回となっています。

1 2019年1月30日の答申

2019年1月30日の医道審議会の医道分科会の議事要旨によれば、歯科医師の行政処分、処分者について、以下の答申がなされています。
 歯科医師7件
  内訳 歯科医業停止3月   4件
      (電磁的公正証書原本不実記録・同供用2件,
       診療報酬不正請求2件)
     戒告         3件
      (傷害1件,暴行脅迫1件,
       過失運転致傷・道路交通法違反1件)

2 2018年9月19日の答申

2018年9月19日の医道審議会の医道分科会の議事要旨によれば、歯科医師の行政処分、処分者について、以下の答申がなされています。
 歯科医師4件
  内訳 免許取消       1件
      (準強制わいせつ1件)
     歯科医業停止3年   1件
      (覚せい剤取締法違反1件)
     歯科医業停止2年   1件
      (危険運転致傷1件)
     歯科医業停止1年6月 1件
      (道路交通法違反1件)

3 2017年9月21日の答申

2017年9月21日の医道審議会の医道分科会の議事要旨によれば、歯科医師の行政処分、処分者について、以下の答申がなされています。
 歯科医師8件
  内訳 歯科医業停止3年   1件
      (詐欺1件)
     歯科医業停止1年6月 1件
      (大麻取締法違反1件)
     歯科医業停止3月   6件
      (児童買春等1件,迷惑防止条例違反1件,
       診療報酬不正請求4件)

4 2017年3月3日の答申

2017年3月3日の医道審議会の医道分科会の議事要旨によれば、歯科医師の行政処分、処分者について、以下の答申がなされています。
 歯科医師6件
  内訳 歯科医業停止2年 1件
      (児童買春等違反等1件)
     歯科医業停止3月 5件
      (迷惑防止条例違反2件,診療報酬不正請求3件)

5 2016年9月30日の答申

2016年9月30日の医道審議会の医道分科会の議事要旨によれば、歯科医師の行政処分、処分者について、以下の答申がなされています。
 歯科医師15件
  内訳 歯科医業停止3年 1件
      (詐欺1件)
     歯科医業停止1年 2件
      (大麻取締法違反1件)
     歯科医業停止4月 2件
      (道路交通法違反2件)
     歯科医業停止3月 10件
      (診療報酬不正請求10件)

6 2016年3月31日の答申

2016年3月31日の医道審議会の医道分科会の議事要旨によれば、歯科医師の行政処分、処分者について、以下の答申がなされています。
 歯科医師6件
  内訳 歯科医業停止3年 2件
      (詐欺1件,強要未遂1件)
     歯科医業停止8月 1件
      (道路交通法違反1件)
     歯科医業停止3月 3件
      (診療報酬不正請求3件)

7 2015年9月30日の答申

2015年9月30日の医道審議会の医道分科会の議事要旨によれば、歯科医師の行政処分、処分者について、以下の答申がなされています。
 歯科医師7件
  内訳 歯科医業停止3年   1件
      (麻薬及び向精神薬取締法違反・関税法違反1件)
     歯科医業停止1年6月 1件
      (自動車運転過失傷害・道路交通法違反1件)
     歯科医業停止3月   4件
      (迷惑防止条例違反1件,診療報酬不正請求3件)
     歯科医業停止1月   1件
      (窃盗1件)

8 2015年2月27日の答申

2015年2月27日の医道審議会の医道分科会の議事要旨によれば、歯科医師の行政処分、処分者について、以下の答申がなされています。
 歯科医師8件
  内訳 歯科医業停止1年6月 1件
      (自動車運転過失傷害・道路交通法違反1件)
     歯科医業停止8月   1件
      (自動車運転過失傷害・道路交通法違反1件)
     歯科医業停止4月   1件
      (道路交通法違反・有印私文書偽造・同行使1件)
     歯科医業停止3月   2件
      (診療報酬不正請求2件)
     戒告         3件
      (傷害1件,児童買春等1件,
       わいせつ電磁的記録記録媒体陳列1件)

9 2014年10月3日の答申

2014年10月3日の医道審議会の医道分科会の議事要旨によれば、歯科医師の行政処分、処分者について、以下の答申がなされています。
 歯科医師11件
  内訳 免許取消       2件
      (大麻取締法違反1件,強制わいせつ等1件)
     歯科医業停止3年   1件
      (ストーカー行為等の規制等に関する法律違反等1件)
     歯科医業停止2年   2件
      (覚せい剤取締法違反1件,危険運転致傷1件)
     歯科医業停止1年6月 1件
      (大麻取締法違反1件)
     歯科医業停止6月   1件
      (自動車運転過失傷害・道路交通法違反1件)
     歯科医業停止4月   1件
      (道路交通法違反1件)
     歯科医業停止3月   3件
      (迷惑防止条例違反2件,診療報酬不正請求1件)

 2 歯科医への行政処分の指針

歯科医師に対する行政処分の指針が医道審議会から公表されています。
・ 医師及び歯科医師に対する行政処分の考え方
 
弁護士がポイントを整理すると、以下のとおりです。

1 歯科医師法違反

無資格歯科医業の共犯、無診察治療等の歯科医師法に違反する行為については、その責務を怠った犯罪として、重い処分がなされます。

2 覚せい剤取締法違反等の薬物犯罪

麻薬等の薬効の知識を有し、その害の大きさを十分認識しているにも関わらず、自ら違反したということに対しては、重い処分がなされます。

3 わいせつ行為

わいせつ行為は、歯科医師の社会的信用を失墜させる行為であり、特に、診療の機会に歯科医師としての立場を利用したわいせつ行為などは、国民の信頼を裏切る悪質な行為であり、重い処分がなされます。

4 診療報酬の不正請求

診療報酬の不正請求等により保険医等の取消処分を受けた歯科医師については、当該健康保険法に基づく行政処分とは別に歯科医師法による行政処分がなされます。


歯科の行政処分、医道審議会に臨む歯科医の方は、お電話下さい。行政処分・医道審議会への対応を弁護士がサポートし、聴取手続きに同席します。

歯科医の行政処分、歯科の医道審議会の弁護士のコラム


歯科医への行政処分、医道審議会(歯科)の弁護士のコラムです。
行政処分(歯科医)の対応法の他、多数掲載しています。
行政処分(免許取り消し、歯科医業停止)に臨む歯科医師の方は、ご活用いただければ幸いです。

 1 歯科医師への行政処分、医道審議会のコラム

1  医道審議会の歯科医師への行政処分、処分者

2  医道審議会の行政処分の考え方(1):基本的な考え方

3  医道審議会の行政処分の考え方(2):歯科医師法違反 交通事犯

4  医道審議会の行政処分の考え方(3):わいせつ行為 税法違反

5  不正請求による保険医取消の歯科医師への医道審議会の行政処分


 2 医道審議会、行政処分の判例のコラム

1  医道審議会の判例(1):行政処分(医師免許取消)の取消訴訟

2  医道審議会の判例(2):行政処分(医業停止)の執行停止

3  医道審議会の判例(3):行政処分(医師免許取消)の執行停止

4  医道審議会の判例(4):行政処分(医業停止)の仮の差止め

5  医道審議会の判例(5):医業停止期間経過後の訴えの利益

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