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歯科医師によるヒアルロン酸注入療法の適法性のコラムです。歯科の法律問題は、歯科医師のための弁護士、サンベル法律事務所に迷わずご相談下さい。

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歯科のヒアルロン酸注入

歯科のトラブルを解決する歯科医師のための弁護士です。

ヒアルロン酸注入療法の導入などに関してお悩みの歯科医師の方は、迷わずご相談下さい。


弁護士鈴木が力を入れている歯科医院法務に関するコラムです。
ここでは、歯科医院のヒアルロン酸注入療法についてお話をします。

 歯科医師によるヒアルロン酸注入療法の適法性

昨今、歯科医師のためのヒアルロン酸注入のセミナーが開催されているようです。
インターネットで検索をすると、ヒアルロン酸注入療法を取り入れている歯科医院が多数でてきます。しかし、歯科医師が、ほうれい線を含む口唇周辺のシワの改善を目的として、ヒアルロン酸の注入をすることは、適法性に疑問があります。
理由は以下のとおりです。

歯科医師によるヒアルロン酸注入が適法か否かは、歯科医師法17条の「歯科医業」に、ヒアルロン酸注入が含まれるか否かにかかっています。
〇歯科医師法17条:
歯科医師でなければ、歯科医業をなしてはならない。

この点について、歯科医師法は「歯科医業」の具体的な定義規定を置いておらず、そのため、歯科医業の具体的範囲は、歯科医師法の解釈により決定されることになります。
法の解釈は、裁判所に判断権限があります。そこで、ヒアルロン酸注入が歯科医業に含まれるか否かは、裁判所が判決の形で決定をします。
しかし、裁判所は紛争が生じてから事後的に判断を行いますので、第一次的には行政が法を解釈し、それに基づき実務が行われている実情があります。
そして、裁判所も、法の解釈に当たり、行政解釈を尊重する傾向があります。

歯科医師によるヒアルロン酸注入を適法と主張する立場は、平成8年6月28日に行われた厚生省審議会「歯科口腔外科に関する検討会」の第2回会議での、以下の歯科医業分野に関する判断を拠り所としているようです。
〇歯科口腔外科の診療領域:
標榜診療科としての歯科口腔外科の診療領域の対象は、原則として口唇、頬粘膜、上下歯槽、硬口蓋、舌前3分の2、口腔底に、軟口蓋、顎骨(顎関節を含む)、唾液線(耳下線を除く)を加える部位とする。

すなわち、行政解釈では歯科医業の対象に「口唇」が含まれる、そして「口唇」には医学分類的にほうれん線を含む顔面の唇周辺部も含まれる、そこで、ほうれん線を含む唇周辺部にヒアルロン酸注入をすることは、歯科医業に含まれ適法である、という理屈と思われます。

しかし、素朴に考えて、ほうれい線のシワの改善をすることは、歯の治療ないし口腔における歯科疾患の治療と関係がなく、歯科医療から外れているというべきです。シワの改善を目的とする口唇周辺部へのヒアルロン酸注入は、歯科医師法17条の「歯科医業」には含まれず、「医業」の領域でしょう。弁護士鈴木は、上記の「口唇」の施術だから適法という見解については、行政解釈に反し、ないし行政解釈を曲解するもので、裁判所では認められないと考えています。

歯科医師によるシワの改善を目的とするヒアルロン酸の注入は、グレーゾーンではなく違法行為というべきですので、歯科医院でのヒアルロン酸注入療法の導入は、慎重に判断して下さい。また、既に導入している歯科医院においては、適法性に疑問がありますので、速やかに扱いを中止することをお勧めします。

歯科医師が医業を行った場合、医師法17条に抵触し、医師法31条1項1号により、処罰されることがあります。また、歯科医業の停止や歯科医師の免許取り消しなどを含む、行政処分の対象ともなり得ます。
〇医師法17条:
医師でなければ、医業をなしてはならない。
〇医師法31条1項1号:
次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 第17条の規定に違反した者


ヒアルロン酸注入療法に関してお悩みの歯科医の方は、迷わずお電話を下さい。十分にお話を伺った上で、具体的なアドバイスを致します。


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