歯科のトラブルを解決する歯科医師のための弁護士です。
歯科医院での防犯カメラ、監視カメラの設置にお悩みの歯科医の方は、迷わずご相談下さい。
弁護士鈴木が力を入れている歯科医院法務に関するコラムです。
ここでは、歯科医院の防犯カメラ、監視カメラの設置、個人情報保護方針の書式についてお話をします。
防犯カメラ、監視カメラの設置の適法性
病院をはじめとする医療機関では、近年、医療の安全と防犯のために、防犯カメラ、監視カメラを設置するケースが多数あり、歯科医院にいても、設置しているケースがあります。
防犯カメラの設置は、患者のプライバシー権を侵害する可能性があり、また、患者の個人情報保護の観点からも、その適法性について問題となり得ます。
結論を申し上げますと、歯科医院での防犯カメラの設置、監視カメラの設置は、施設管理権の行使として、それ自体は適法です。ただし、念のため付言しますと、化粧室などの不適切な場所に設置してはいけません。
歯科医院では、分院など、経営者が常駐せず目が届かない場合に、設置に至るケースがあるようです。
防犯カメラの設置、監視カメラの設置は、患者のプライバシー権や個人情報保護法との関係で、防犯カメラの設置の事実及び収集した情報の利用目的の公表などが求められます。
この点について、防犯カメラが防犯目的で設置されていることはみればわかるという理由付けで、患者に特段の周知等一切せずに設置をしてしまっているケースがあるようですが、防犯カメラの設置は、医療の安全と防犯に繋がり、患者の利益になることですので、きちんと公表する必要があります。
防犯カメラを設置する際の個人情報保護方針の公表
一例を挙げますと、受付などの見やすい場所に、例えば以下の内容を大きく掲示しておくことが考えられます。
日本歯科医師会のホームページで公開されている「
個人情報保護方針」も参考にして下さい。
歯科医院の個人情報保護方針の書式
個人情報保護方針
当院では次の目的のために個人情報を適正な範囲内で収集利用いたします。
また、医療の安全と防犯のために、防犯カメラを設置しています。
ご質問などございましたら、お気軽にスタッフにお声かけ下さい。
<個人情報の利用目的>
【歯科医院の内部利用】
・患者様に対する適正な医療の提供と医療サービス
・患者様への医療サービスの向上
・医療保険事務
・歯科医院内部で行われる学生の実習への協力
・歯科医院内部で行われる症例研究
・その他、患者様に関わる会計、経理等を含む管理運営業務
【歯科医院の外部利用(※患者様のご要望があれば外部利用を停止するなどいたします)】
・他の病院、診療所、歯科技工所、薬局、訪問看護ステーション、介護サービス取扱事業者等との連携
・他の医療機関等からの照会への回答
・患者様の診療等にあたり、外部の歯科医師等の意見・助言を求める場合
・患者様個人を特定できないよう適切な配慮をした上での学会・学術論文などでの症例研究発表
・検体検査業務の委託その他の業務委託
・患者様のご家族への診療内容のご説明
・医療保険事務の委託、審査支払機関へのレセプトの提出、審査支払機関または保険者からの照会への回答
・歯科医師賠償責任保険等に係る医療に関する専門の団体、保険会社、弁護士等への相談または届出等
・国の機関等またはその委託を受けた者が法令の定める事務を遂行することに対して協力する必要がある場合
歯科医院での防犯カメラ、監視カメラの設置、適切な個人情報保護方針の策定に悩んでいる歯科医の方は、迷わずお電話を下さい。状況を十分聴取した上で、防犯カメラを設置すべきか、患者への上手な周知方法などをアドバイス致します。
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